「股関節が痛くて歩くのが辛い…」
「病院で『運動してください』と言われたけれど、痛むのに動かして大丈夫?」
変形性股関節症と診断されると、このような不安を抱える方は少なくないと思います。
結論から言うと、変形性股関節症において、正しい方法で行う運動は痛みの緩和や進行防止に非常に効果的です。
この記事では、変形性股関節症の方でも自宅で安全にできる運動、避けるべきNG動作までを解説していきたいと思います。
なぜ変形性股関節症に「運動」が必要なのか?
変形性股関節症は、股関節のクッションである「軟骨」がすり減り、骨同士がこすれ合って痛みが出ます。
「痛いなら動かさない方がいいのでは?」と思われがちかもしれませんが、実は身体を動かさないままでいると、以下のような悪循環に陥ってしまいます。
- 関節が硬くなる
動かさないことで関節の可動域(動く範囲)が狭くなる。 - 筋力が低下する
股関節を支えるお尻や太ももの筋肉が衰える。 - 負担が増える
筋肉が支えられなくなった分、関節に直接大きな衝撃がかかり、さらに痛む。
この悪循環を断ち切るに必要なのが「適切な運動」です。
股関節周りの筋肉を優しくほぐし、鍛えることで、筋肉による天然のサポーターを作り、軟骨への負担を減らすことができます。
自宅でできる安全な股関節運動メニュー

まずは、関節に強い負担をかけずに、筋肉をほぐして鍛える3つの基本メニューをご紹介します。
ベッドや布団の上、または椅子に座ってできる安全なものですので、是非取り入れてみてください。
① 股関節を優しくほぐす
まずは硬くなった関節を緩めます。
医療現場でも推奨されている非常に効果的な運動です。
- やり方
椅子に深く腰掛け、両足を床につけます。
かかとを小刻みに上下に動かし、股関節を優しく揺らします。 - 目安
1回5分〜10分、テレビを見ながらなど気づいた時に行います。 - ポイント
痛みが出ない範囲で、力を抜いてリラックスして行いましょう。
② お尻を鍛えて関節を支える
歩行時や階段の上り下りで重要な、お尻の筋肉(大臀筋・中臀筋)を鍛えます。
- やり方
仰向けに寝て、両膝を軽く立てます。
脚は肩幅に開き、手は身体の横に置きます。 - 動作
お尻に力を入れながら、お尻を床からゆっくりと持ち上げます。
肩から膝までが一直線になる位置で3秒キープし、ゆっくり下ろします。 - 目安
10回〜15回を1セットとし、1日2~3セット。 - ポイント
腰を反らし過ぎないよう、お尻を締めるイメージで行うのがコツです。
③ 太もも前側を鍛える
股関節にかかる体重の負担を和らげる為、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えます。
- やり方
床に両足を伸ばして座るか、ベッドの上に仰向けになります。 - 動作
片方の膝の裏に、丸めたタオルを敷きます。
そのタオルを床に押し付けるように、膝を真っ直ぐ下にギュッと伸ばします。
太ももの前側に力が入っているのを感じながら、5秒間キープして力を抜きます。 - 目安
左右交互に10回ずつ、1日2~3セット。
変形性股関節症の人が絶対に避けるべき「NG動作・運動」

運動が身体に良いとはいえ、方法を間違えると一気に症状が悪化してしまいます。
以下の動作や運動は、股関節に大きな負担がかかるので絶対に避けましょう。
- 激しいウォーキングやジョギング
「歩けば治る」と無理に長く歩くのはNGです。
硬いアスファルトの上を歩く衝撃は、すり減った関節をさらに痛めます。 - 深くしゃがみ込む動作(和式トイレ、床の雑巾がけなど)
股関節を深く曲げる動作は、関節の変形を助長し、強い痛みを引き起こします。
生活様式はできるだけ洋式(椅子やベッド)に変えましょう。 - 重い荷物を持つこと
体重が増えるのと同じ状態になり、股関節への負荷が倍増します。
買い物などはカートを利用する工夫が必要です。 - 勢いをつけたストレッチ
グイグイと無理に足を広げるようなストレッチは、関節を痛める原因になります。
安全に運動を続ける3つの鉄則
運動を日常生活に取り入れる際は、以下の3つのルールを必ず守ってください。
鉄則1:痛みのサインを見逃さない
「痛みを我慢してやれば効果が出る」というのは大きな間違いです。
運動中、または運動した翌日に「いつもより痛みが強い」「関節が熱を持っている」と感じたら、すぐに運動を中止し、安静にしてください。
鉄則2:最初は「物足りない」くらいから始める
早く治したいからと、初日から何十回もこなすのは逆効果です。
まずは各メニュー3回ずつなど、少し物足りないと感じる量から始め、1〜2週間かけて徐々に回数を増やしていきましょう。
鉄則3::水中ウォーキングを取り入れる
もし近くにプールがあるなら、水中ウォーキングがおススメです。
水の浮力によって股関節にかかる体重の負担が大幅に軽減できますし、水の抵抗によって全身の筋肉に刺激を与えることができます。
陸上よりも痛みを気にせず、しっかり筋肉を動かすことができます。
まとめ
変形性股関節症の運動療法は、すぐに変化が出るものではありません。
ですが、毎日コツコツと正しい運動を続けることで、数ヶ月後には「歩くのが楽になった」「階段がスムーズになった」という変化を実感できるようになるとされています。
ただし、骨の変形の進み具合(初期・進行期・末期)によって、できる運動ややってはいけない動きは一人ひとり異なります。
痛みが強い場合や、自分で判断がつかない場合は、必ず整形外科の医師や理学療法士に相談してご自身の状態に合わせたメニューから始めていきましょう。
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