「歩く時に股関節のあたりがツキツキ痛む」「靴下を履くのがつらくなってきた」
こうした脚の付け根の違和感や痛みは、もしかしたら変形性股関節症かもしれません。
変形性股関節症は、進行すると日常生活に大きな支障をきたしてしまいますが、初期の段階で対処すれば、進行を遅らせたり痛みをコントロールしたりすることも可能です。
この記事では、変形性股関節症の「初期症状」や「原因」から、自宅でできる「リハビリ・筋トレ」、病院での「治療法」まで解説していきたいと思います。
変形性股関節症とは?その原因と特徴
変形性股関節症とは、股関節のクッションである「関節軟骨(かんせつなんこつ)」がすり減ることで、関節に変形が起きたり、骨同士がこすれ合って強い痛みが生じたりする病気です。
なぜ軟骨がすり減るの?2つの原因
日本では、圧倒的に男性よりも女性に多いのが特徴です。
原因は大きく分けて2つあります。
- 一次性(原因がはっきりしないもの)
加齢や体重増加、繰り返しかかる負担などが原因で、徐々に軟骨がすり減っていくタイプです。 - 二次性(他の病気や骨の形が原因のもの)
患者さんの約8割〜9割がこのタイプです。
赤ちゃんの頃の「発育性股関節形成不全」や生まれつき股関節の受け皿が小さい「臼蓋形成不全」がある為に、一部分に集中して負担がかかり、軟骨がすり減りやすくなります。
【チェックリスト】見逃してはいけない初期症状と進行ステップ
変形性股関節症は、急に激痛が走るわけではなく、段階的に進行します。
「歳のせいかな?」と放置しがちですが、初期症状を見逃さないことが大切です。
段階別の症状の変化
💡早期発見のポイント
「立ち上がる時の最初の一歩だけ痛いけれど、歩いているうちに平気になる」というのは、初期の典型的なサインです。
自宅でできる!変形性股関節症を悪化させない為のリハビリと筋トレ

股関節にかかる負担を減らすには、股関節のまわりの筋肉(特に「お尻」と「太もも」)を鍛えることが効果的とされています。
ですが、強い痛みがある時は無理をせずに、医師や理学療法士の指導のもとで行ってください。
① お尻の筋肉を鍛える「ヒップリフト」
股関節を安定させるお尻の筋肉である大臀筋)を鍛えます。
- 仰向けに寝て、両膝を 90 度に曲げます。
- お尻の穴を締めるイメージで、ゆっくりとお尻を持ち上げます。
- 肩から膝までが一直線になったところで 5 秒キープ。
- ゆっくりお尻を下ろします(10~15回 × 2〜3セット)。
② 股関節の外側を鍛える「横向き脚上げ」
歩行時の骨盤を安定させる「中臀筋」を鍛え、左右の揺れを防ぎます。
- 横向きに寝て、下側の脚は軽く曲げて身体を安定させます。
- 上側の脚を、膝を伸ばしたままゆっくり真上に持ち上げます(後ろに引かないように注意)。
- 持ち上げたところで 5 秒キープし、ゆっくり下ろします(左右10~15回ずつ × 2〜3セット)。
日常生活でのセルフケア・注意点
- 体重管理
体重が 1kg 増えると、歩行時に股関節にかかる負担は約3〜4倍になると言われています。
適切な体重を維持することが重要です。 - 杖の活用
痛む脚と「反対側」の手で杖を持つことで、股関節にかかる負担を大幅に減らすことができます。
病院での治療法:保存療法から手術まで

痛みが強く、日常生活に支障が出ている場合は、整形外科を受診しましょう。
治療法は大きく「保存療法」と「手術療法」に分かれます。
まずは「保存療法」から
骨の変形がそこまで進んでいない場合は、手術をしない治療を行います。
- 薬物療法
消炎鎮痛剤(痛み止め)の処方や、関節内へのヒアルロン酸注射で痛みを和らげます。 - 物理療法
温熱療法などで血流を良くし、筋肉のこわばりをほぐします。
進行した場合の「手術療法」
保存療法で効果が出ず、歩行が困難になった場合は手術を検討します。
- 関節温存手術(骨切り術など)
自分の骨を一部切って移動させ、股関節の受け皿を広くする手術です。
比較的若く、軟骨がまだ残っている人が対象となります。 - 人工股関節置換術(人工股関節全置換術:THA)
傷んだ股関節を、金属やセラミックでできた「人工関節」に置き換える手術です。
痛みが改善し、手術の翌日から歩行訓練を始めるケースがほとんどです。
近年の人工関節は耐久性が高まり、20年以上長持ちするようになっています。
まとめ:違和感があれば早めに整形外科へ
変形性股関節症は、放置すると少しずつ進行していきますが、早期に発見してリハビリや体重管理を行えば、その進行を遅らせることができます。
「最近、脚の付け根が痛い」「歩き方がおかしいと言われた」という方は、歳のせいと諦めず、まずは一度、整形外科でレントゲン検査を受けてみると良いかと思います。
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