体内代謝
小さい分子に消化されて吸収された食物は体内で代謝されます。
代謝とは、生体内での化学変化のことで吸収した栄養素をエネルギー源に変えたり身体の構成成分に変えたりすることです。
タンパク質
食後の脂質の流れ
小腸で吸収 → 肝臓 → 血液中 → 体成分、エネルギー源など
●空腹時のタンパク質代謝
血糖が低下してくると糖新生が促進されます。
体タンパクをアミノ酸に分解してグルコース(ブドウ糖)を生成します。
リジンとロイシン以外のアミノ酸は、糖新生の材料になる糖原性アミノ酸です。
リジンとロイシンはケト源性アミノ酸と言います。
●アミノ酸の代謝
・窒素の代謝
アミノ酸のアミノ基(NH2)の受け渡しによって新たなアミノ酸を生成します。
これをアミノ基転換反応と言います。
・炭素の代謝
アミノ酸の炭素骨格はエネルギー源となります。
アミノ基転換反応によって脱アミノされたアミノ酸はエネルギー源に利用されます。
・尿素の生成
アミノ基が遊離すると有毒のアンモニアになります。
グルタミン酸はアンモニアを受け取りグルタミンとなって肝臓に運ばれます。
肝臓でグルタミンからアンモニアが放出され無毒の尿素に変換されます。
変換された尿素は腎臓を通って体外に排出されます。
●アミノ酸スコア(アミノ酸価)
体内で合成できない必須アミノ酸バランスを数値化した指標がアミノ酸スコアです。
食品の必須アミノ酸の組成がヒトの必要とするアミノ酸バランスに近ければ栄養価が高くなります。
・第一制限アミノ酸
ヒトが必要な必須アミノ酸が100%に満たないアミノ酸を第一制限アミノ酸と言います。
第一制限アミノ酸があると栄養価が低くなります。
●アミノ酸スコア100の食品
牛乳、卵、あじ、豚ロース、大豆など
一般的に動物性タンパク質は100が多く植物性タンパク質は100未満が多いです。
例外的に大豆タンパク質は100です。
他の栄養素との関係
●エネルギー代謝とタンパク質
運動時は平均10%前後がアミノ酸から供給されています。
特に分岐鎖アミノ酸(BCAA)が筋肉では重要な役割を果たしています。
●糖質とタンパク質
血糖や肝臓のグリコーゲンが減少してくると糖新生が促進されてタンパク質が分解されます。
糖原性アミノ酸は肝臓でグルコース(ブドウ糖)に変換されます。
●アミノ酸代謝とビタミン
ビタミンB6アミノ基転移酵素の活性を助けます。
タンパク質の摂取量が多くなるとビタミンB6の必要量も多くなります。
ナイアシンはトリプトファンから合成されます。
ビタミンB12と葉酸はホモシステインからメチオニンを生成する合成酵素に必要です。