「ダイエットの為に今日から走ろう!」
そう決意して走り始めたものの、数日で膝や腰を痛めて断念してしまった……という経験はありませんか?
実は、体格指数であるBMIが25以上の方がいきなりランニングを始めるのは、非常にリスクが高いです。
良かれと思って始めた運動が、取り返しのつかない怪我を招くことも少なくありません。
この記事では、なぜ体重が重い状態でのランニングが危険なのか、そして膝を守りながら着実にやせる為の「安全なダイエットロードマップ」を解説していきたいと思います。
よろしければ参考にしてみてください。
太っているのにランニングをしてもいい? BMI25以上なら控えましょう
はじめに結論からいいますと、BMIが25を超えている方は、まず「走ること」を一旦控えましょう。
なぜなら、膝関節に負担がかかってしまうからです。
BMIとは、体格指数で身長と体重から算出される値で、この値が18.5未満だと「低体重(やせ)」、25以上だと「肥満」に分類されます。
健康診断の基準にもなっています。
BMI = 体重(kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕
着地時の衝撃は「体重の約5~6倍」
私たちが走っている時、片足が着地する瞬間に膝にかかる衝撃は、体重の約5倍〜6倍と言われています。
- 歩行時: 体重の約2~3倍
- 走行時: 体重の約5倍〜6倍
例えば、体重が90kgの人が走った場合、一歩ごとに約450kg〜540kgもの重さが片膝にのしかかる計算になります。
これを数千回、数万回と繰り返せば、関節や軟骨が悲鳴をあげてしまいます。
「痛くなってから」では遅い
膝の軟骨などは一度すり減ったり傷ついたりすると、完全に元の状態に戻るのが難しい組織です。
一度完全にすり減ったり損傷したりすると、自然に元通り再生することはほぼありません。
なので「少し痛むけど頑張ろう」と無理を重ねると、変形性膝関節症などの慢性的な疾患に繋がる恐れがあります。
ダイエットを成功させる大前提は「健康であること」です。
怪我をして動けなくなってしまうと、消費カロリーは減り、ダイエットそのものが中断してしまいます。
ランニングを始める目安は?【体格指数BMI25未満】
安全にランニングを楽しむ為の指標として、世界的に利用されている肥満度指数「BMI(Body Mass Index)」を活用します。
BMIの計算方法と基準
BMI = 体重(kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕
(例:身長170cm、体重80kgの場合:80 ÷ (1.7 × 1.7) = 27.6
日本肥満学会の判定基準では以下のようになります。
- 18.5以上〜25未満: 標準(普通体重)
- 25以上: 肥満
BMI 25未満を「ランニング解禁」の目安に
BMIが25を下回るまでは、ランニングという「衝撃の大きい運動」は避けましょう。
BMIは体脂肪率を考慮しないので、筋肉量が多いアスリートタイプの方も数値が高くなる傾向がありますが、「関節にかかる物理的な重量」という観点では、BMI 25が一つの安全なボーダーラインになります。
膝への負担が少ないおススメの有酸素運動
「走るのがダメなら、どうやってやせればいいの?」と思うかもしれませんが、膝への衝撃を抑えつつ、ランニング以上に効率よく脂肪を燃焼させられる運動は他にたくさんあります。
ここでは、膝への負担の少ない有酸素運動を紹介します。
プール(水中ウォーキング・水泳)
肥満解消における「最強の運動環境」はプールです。
水中では浮力が働くので、体重は約10分の1にまで軽減されます。
陸上では数百キロかかる膝への衝撃が、水中ではわずか数キロ〜数十キロに抑えることができます。
また、水は空気の約800倍の密度があります。
ただゆっくり歩くだけでも全身に強い抵抗がかかるので、陸上のウォーキングよりも短時間で多くのエネルギーを消費できます。
さらに、体温より低い水の中にいるだけで、身体は体温を維持しようと熱を作ります。
これだけでもエネルギー消費がアップします。
自転車(エアロバイク)
自宅やジムで手軽に取り組める自転車もおススメです。
ランニングと違い、体重の大部分をサドル(椅子)で支えることができます。
膝には「ペダルを漕ぐ力」だけがかかるので、着地衝撃による怪我の心配がほとんどありません。
また、「ながら運動」が可能です。
スマホで動画を見たり、本を読んだりしながら続けられるので、精神的なハードルが低く継続しやすいと思います。
クロストレーナー
フィットネスクラブにある「手と足を前後に動かすマシン」です。
ペダルに足を乗せたまま円を描くように動かすので、衝撃がゼロに近い状態です。
ハンドルを握って腕も動かすので、下半身だけでなく上半身の筋肉も動員でき、効率的に心拍数を上げることもできます。
怪我なく続ける為のロードマップ
ダイエットに焦りは禁物です。
以下の3ステップを意識して、着実に「走れる身体」を作っていきましょう。
【ステップ1】BMI 25未満を目指す準備期間
BMIが25以上ある方は、まず「膝に優しい運動」をメインにします。
週3回程度のプール、または30分程度のエアロバイクから開始。
この時期は「走りたい」という気持ちをグッとこらえ、関節を保護しながら体重を落とすことに専念します。
【ステップ2】ウォーキングで基礎体力をつける
BMIが25を切ってきたら、いよいよ陸上での運動強度を上げます。
いきなり走るのではなく、まずは正しいフォームでのウォーキングから始めましょう。
「1日30分歩いても、翌日に膝の違和感がないか」を確認しながら2週間〜1ヶ月継続します。
【ステップ3】スロージョギングからランニングへ
膝に問題がなければ、少しずつ走る動作を取り入れていきます。
歩くような速さで走る「スロージョギング」からまず始め、徐々にペースと距離を伸ばしていきます。
もし途中で少しでも膝に痛みを感じたら、すぐにステップ1や2に戻るようにしましょう。
場合によっては、医療機関に一度診てもらうようにしましょう。
最も大切なこと|楽しく続けること
ダイエットや健康維持において、最も重要なのは「運動の種類」ではなく「継続すること」です。
ランニングは「唯一の正解」ではない
「やせる為には走らなきゃ」という強迫観念を持つ必要はありません。
有酸素運動による脂肪燃焼効果は、心拍数が一定以上に上がっていれば、水泳でも自転車でもウォーキングでも得られます。
水の中でぷかぷか浮いているのが好きなら、プールを。
好きな音楽を聴きながら黙々と漕ぐのが好きなら、エアロバイクを。
自分が「これなら明日もやりたい」と思える運動を選ぶことが、結果として最も早く、そして安全に目標体重へ到達する近道になるはずです。
周りのランナーを見て焦る必要はありません。
身体が軽くなれば、自然と足取りも軽くなります。
その時、心からランニングを楽しめる最高のタイミングになります。
安全な方法で、一生モノの健康な身体を手に入れていきましょう。

