遅筋繊維と速筋繊維のお話です。
一般的に言う筋肉とは骨格筋に分類されますが、遅筋繊維と速筋繊維があります。
筋肉と言ってもその特性は筋繊維によって変わり個人によってその割合も違います。
全員が同じ筋肉をもっているわけではありません。
普段、私たちは主に遅筋繊維を使って生活をしていますので速筋繊維はあまり使われていません。
筋肉の働きは全か無かの法則になります。
筋肉を動かす際、全ての筋肉が同時に働いているわけではなく特定の筋繊維だけが働いています。
筋肉の働きは0か1で、どの筋繊維が働くかは運動単位によって決定されています。
運動強度の低い運動では遅筋繊維が働き、強度が高くなるにつれて速筋繊維も働くようになっていきます。
筋力トレーニングは、強度の高い運動になるので普段使わない速筋繊維を使う運動です。
筋肉が肥大して大きくなるのは、主に速筋繊維が肥大して起こります。
遅筋繊維はトレーニングをしてもあまり肥大しません。
筋肉の特性は、筋繊維によって異なります。
遅筋繊維はミオグロビン、ミトコンドリアが多いので赤く見える筋繊維です。
赤く見えるので赤筋とも言われたりもします。
遅筋繊維は持久力に優れていて疲れにくい筋肉です。
普段の日常生活で主に働いている筋繊維は遅筋繊維です。
特徴としては持久力に優れていますが、収縮速度が遅く筋力や瞬発力は劣り肥大もしにくいです。
トレーニングをしても遅筋繊維は、肥大しにくく大きくなりにくいです。
この筋肉は長距離などの持久力を必要とするスポーツの時に働きます。
速筋繊維はミオグロビン、ミトコンドリアが少ないので白く見える筋繊維です。
白く見えるので白筋とも言われたりもします。
速筋繊維は筋力・瞬発力に優れている筋肉です。
速筋繊維は、遅筋繊維と違い普段の日常生活ではあまり働きません。
強い力を発揮する時や瞬間的に強い力を発揮する時、早く動く時などに働きます。
特徴は遅筋繊維とは真逆になります。
収縮速度が速く筋力・瞬発力に優れていますが、持久力がない筋肉です。
トレーニングをして肥大する筋肉です。筋肥大は速筋繊維によって起こります。
筋力や瞬発力を必要とするスポーツで主に働きます。
中間筋
遅筋繊維と速筋繊維は、さらに細かく分類することができます。
大きく分けると遅筋繊維と速筋繊維の二つですが、その中間的な筋肉もあります。
いわゆる中間筋と言われる筋肉です。
この筋肉は、ピンク色に見えるのでピンク筋とも言われたりもします。
中間筋と言っても分類としては速筋繊維になります。
遅筋繊維と速筋繊維の中間的な性能を持っていて持久力も筋力・瞬発力にもある程度優れています。
ですが、持久力は赤筋よりも劣り、筋力・瞬発力も白筋よりも劣ります。
運動をすると筋繊維にも変化が起こります。
一般的には筋繊維が肥大して筋力や持久力が高まりますが、筋繊維の遅筋化が起こります。
強度の高い運動をして速筋繊維を使えば速筋繊維が増えそうな感じがするかもしれません。
ですが、実際は速筋繊維が増えることはありません。
筋力トレーニングをすると速筋繊維内での変化が起きて白筋はピンク筋になっていきます。
あくまで筋繊維内での変化で遅筋繊維が速筋繊維になったり速筋繊維が遅筋繊維になったりすることは起こらないとされています。
速筋繊維は不活動、つまり活動をしないようにすると増えるとされています。
寝たきりなどになると速筋繊維が増える可能性はありますが、不活動により筋繊維は委縮して筋力などは低下することになります。
スポーツパフォーマンスも低下してしまいます。
遅筋繊維と速筋繊維の割合は、遺伝で決定されていてトレーニングをしても変化はしないとされています。
そして、個人によってその割合が決まっています。
生まれた瞬間にその人のスポーツの特性が決定されていると言えます。
遅筋繊維が多いと長距離など持久力を必要とするスポーツに向いています。
速筋繊維が多いと短距離やパワーリフティングなど筋力・瞬発力を必要とするスポーツに向いています。
これはいわゆる才能と言うことになると思います。
競技として短距離を選ぶ人は、初めから足が速かった人が行っているのです。
短距離を選んだから足が速くなったわけではありません。
身も蓋もない話ですが、スポーツの向き不向きは遺伝によって決定されています。
ただ、ほとんどのスポーツは瞬発力も持久力も必要になるので元々の体力よりもスキルの方が大事と言えます。
体力的な要素は遺伝による才能が必要かもしれませんが、スキルに関しては努力次第で何とかなる可能性が高いのではないでしょうか。
スポーツの向き不向きはありますが、才能があっても努力をしなければ上には行けません。
才能がなくても努力次第で上を目指すことも可能ですので、才能がないと嘆かないようにしましょう。
正しく努力をして日々頑張ることが一番大事です。
また、筋肉がつきやすいかどうかも筋繊維の割合によって決まります。
肥大しやすい速筋繊維が多いと筋肉がつきやすい体質で速筋繊維が少ないと筋肉がつきにくい体質と言えます。
ほとんどの人は、遅筋繊維と速筋繊維が半々なのである程度筋肉をつけることが可能ですが、遺伝的に非常につきにくい人もいます。
筋繊維の割合以外にもつきにくい理由はありますが、筋繊維の割合は大きな要因となるのは事実かと思います。