「有酸素運動は20分以上続けないと脂肪が燃えない」という話を聞いたことはありませんか?
これは過去の常識です。
有酸素運動は、たとえ5分や10分といった短い時間であっても、しっかりと脂肪燃焼の効果が得らることができます。
脂肪燃焼に「20分以上」は必須ではない3つの理由
有酸素運動で脂肪が燃えやすいかどうかは、「時間」ではなく、別の要素にあります。
1. 運動の合計時間が同じなら効果も同じ
運動の効果(消費エネルギー)は、合計の運動時間が同じであれば、連続で実施しても、細かく分けて実施しても同じになることがわかっています。
- 例:連続20分のウォーキング = 10分を2回(朝・夕) = 5分を4回
まとまった時間が取れない場合でも、短時間での分割によって、連続で行うのと同じだけのカロリー消費が得られます。
2. エネルギー源を決めるのは「時間」より「運動強度」
私たちの身体は、運動中に主に糖質と脂質(脂肪)をエネルギー源として使います。
これら二つの利用割合を決めるのは、運動の時間よりも運動の強度に強く依存します。
主なエネルギー源 | 運動の強度 | 具体的な運動例 |
脂質(脂肪) | 低い(軽度) | ウォーキング、ジョギング(ゆっくり) |
糖質 | 高い(高強度) | ダッシュ、ジャンプ、筋力トレーニング |
つまり、脂肪を燃焼させたいのであれば、「時間」を気にするよりも、ウォーキングや軽いランニングといった強度の低い有酸素運動を選ぶことが重要です。
3. 「20分」は脂肪利用率が糖質を上回る目安の時間だった
「有酸素運動は20分以上」という説が広まった背景には、運動開始から約20分を過ぎると、脂肪が使われる割合が糖質を上回り始めるという事実がありました。
しかし、これは「それまで脂肪が全く使われていない」という意味ではありません。
糖質と脂質は常に同時に使われているため、運動を始めた瞬間から脂肪は燃焼し始めているのです。
短時間・分割運動はむしろ効果的?
さらに、近年の研究では、連続して長時間行うよりも、短い時間で細かく分けて行う方が、脂肪燃焼をさらに促進しやすいという報告もあります。
これは、運動による内分泌系への刺激などが影響していると考えられています。
まとめ|忙しいあなたへ
「20分以上の連続運動」は、もはや絶対条件ではありません。
- 脂肪は運動を始めた瞬間から燃えている
- 合計時間が同じなら、分割しても効果は同じ
- 脂肪燃焼には「ウォーキングなどの低強度」の運動が最適
仕事や家事でまとまった時間が確保できない場合は、朝10分、昼5分、夕方10分といったように、短い時間で細かく分けて有酸素運動を行ってみましょう。
継続こそがもっとも重要ですので、できることから少しずつ始めてみてください。