ナイアシンの効果とは?正しい摂取量と副作用を解説

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ナイアシンとは?なぜ注目されているのか

ナイアシンは、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一つで、ビタミンB3とも呼ばれます。
私たちの体内で非常に重要な役割を果たしており、エネルギー産生やDNA修復、脂質の代謝など、生命維持に不可欠な様々な酵素の働きをサポートしています。

ナイアシンには主に「ニコチン酸」と「ニコチンアミド」という2つの形があり、食品やサプリメントに含まれています。
特に近年、その多岐にわたる健康効果美容効果が科学的な研究で明らかになり、サプリメントとしても高い注目を集めています。

ナイアシンの主な効果と働き|科学的根拠に基づくメリット

ナイアシンがもたらす健康・美容への効果は多岐にわたります。
ここでは、特に重要な働きを科学的根拠に基づいて解説します。

  • エネルギー産生と疲労回復のサポート
    ナイアシンは、食事から摂取した糖質、脂質、タンパク質をエネルギーに変える代謝プロセスにおいて、補酵素として働きます。
    この働きにより、疲労回復スタミナ維持に貢献します。
  • 皮膚・粘膜の健康維持と美容効果
    ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康を保つために不可欠な成分です。
    不足すると皮膚炎や口内炎などの症状が出ることが知られています。
  • 肌のバリア機能のサポート
  • 肌のトーンやハリの維持
  • 炎症の抑制

など、美容に関心の高い方からも注目されています。

精神・神経機能の正常化(メンタルヘルス)

ナイアシンは、神経伝達物質の合成にも関与しており、精神の安定神経機能の維持に重要な役割を果たします。
極度の欠乏症では、錯乱などの精神神経症状を引き起こすことがあります。

脂質異常症(高コレステロール)への作用 (要医師の指導)

ナイアシンのニコチン酸型は、高用量で血中の脂質レベルを改善する効果が古くから知られており、特に悪玉コレステロール(LDL)の低下や、善玉コレステロール(HDL)の上昇作用が報告されています。
ただし、この目的での使用は必ず医師の指導のもとで行う必要があります。

ナイアシンの推奨摂取量と摂取源

健康な生活を送るために必要なナイアシンの量は、年齢や性別、エネルギー摂取量によって異なります。

推奨される1日の摂取量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」に基づくと、ナイアシンは「ナイアシン当量(NE)」として示されます。

対象推定平均必要量(mgNE/日)推奨量(mgNE/日)
成人男性(18~49歳)1215
成人女性(18~49歳)912
(※活動量や年齢により変動します。詳細は食事摂取基準をご確認ください。)

ナイアシン当量(NE):体内でナイアシンに変換されるトリプトファンの量も考慮に入れた単位。

ナイアシンが豊富な食品(食事からの摂取)

ナイアシンは様々な食品に含まれているため、通常の食生活で不足することは稀です。
特に以下の食品に多く含まれています。

  1. 肉類:鶏むね肉、豚肉(レバーを含む)
  2. 魚介類:かつお、まぐろ、たらこ
  3. 豆類:落花生、きのこ類

サプリメントでの摂取の注意点

食事からの摂取が難しい場合や、特定の目的で摂取量を増やしたい場合は、サプリメントの利用も考えられますが、過剰摂取には注意が必要です(次項参照)。

ナイアシンの過剰摂取と副作用|安全な利用のために

水溶性ビタミンであるナイアシンは、過剰に摂取しても比較的速やかに尿中に排泄されますが、大量に摂取した場合には副作用のリスクがあります。

主な副作用「ナイアシンフラッシュ」

ナイアシン(ニコチン酸型)を一度に大量に摂取すると、「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる一時的な症状が現れることがあります。

  • 症状:顔や皮膚のほてりかゆみ赤み
  • 原因:血管拡張作用によるもの
  • 対応:通常は30分~1時間程度で治まりますが、苦手な場合はニコチンアミド型やタイムリリース型(徐放性)を選ぶ方法もあります。

医師の指導が必要なリスク(重度の副作用)

極めて高用量(特にコレステロール改善目的)を長期にわたり摂取する場合、以下の重篤な副作用のリスクが報告されています。
サプリメントの常用や高用量摂取は、必ず事前に医師に相談しましょう。

  • 肝機能障害
  • 消化器系の不調(吐き気、嘔吐)
  • インスリン抵抗性の悪化(血糖値への影響)

耐容上限量(UL)

サプリメントなどによる過剰摂取を防ぐため、厚生労働省はナイアシンの耐容上限量(UL)を定めています。

対象耐容上限量(mgNE/日)
成人(18歳以上)290~350
(※年齢層によって異なります。サプリメント利用時は必ず含有量を確認してください。)

まとめ|ナイアシンを正しく活用しよう

ナイアシンは、私たちの健康維持に欠かせない重要なビタミンです。

  • エネルギー産生、美容、メンタルヘルスに貢献
  • 肉や魚から十分な量を摂取可能
  • サプリメント利用時は推奨量や耐容上限量を意識し、特に高用量の場合は医師の指導を受ける

日々の食生活を見直し、ナイアシンを上手に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう。


免責事項: この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断や治療を意図したものではありません。
サプリメントの摂取や疾患に関するご相談は、必ず医療機関にご相談ください。

この記事の監修者・執筆者
パーソナルトレーナー
和泉 大樹(イズミ ダイキ)

2012年から横浜市を中心に個人で訪問型の出張パーソナルトレーナーとして活動しています。トレーニングだけでなく、ストレッチに整体、食事や生活習慣のアドバイスもしています。

~保有資格~
・NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定 パーソナルフィットネストレーナー)
・JATI-ATI (日本トレーニング指導者協会認定 トレーニング指導者)
・スポーツプログラマー(日本スポーツ協会認定)
・ACCA公認 アスレティックコンディショニングコーチ アドバンス
・YMCメディカルトレーナーズスクール 整体療術科 卒業
・健康管理士上級指導員(日本成人病予防協会認定)
・ヘルスケアアドバイザー(日本チェーンドラッグストア協会認定)
etc.

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