もやしは「コスパ最強の機能性食材」!アスパラギン酸・GABAなど栄養をチルド室で9割キープする究極保存術

もやし 栄養・食事

もやしは、家計に優しく一年中手に入る食材として知られていますが、「栄養がない」というのは大きな誤解です。
実際には、発芽の過程で驚くほど多くの機能性成分が生成される、まさに「コスパ最強の機能性食材」です。

本記事では、「もやしに含まれる栄養」の全貌から、デリケートなもやしの鮮度と栄養を最大限に保つチルド室での保存方法まで、もやしのポテンシャルを引き出す情報をご紹介します。

もやしの栄養素を解説|疲労回復からリラックスまで

もやしは、豆(緑豆や大豆など)を発芽させたものです。
発芽前には存在しなかった、あるいは少量だった栄養素が、発芽という生命活動によって劇的に増加するのが最大の特徴です。

疲労回復に特効薬!驚異の「アスパラギン酸」含有量

もやしには、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸が豊富に含まれています。

  • 含有量の秘密
    この成分はアスパラガスから名付けられましたが、もやしにはそのアスパラガスの約2倍ものアスパラギン酸が含まれていることが分かっています(特に大豆もやし)。
  • 期待できる効果
    アスパラギン酸は、体内でエネルギーを生み出す代謝サイクル(TCA回路)を円滑にする働きを助け、疲労物質である乳酸の分解を促します。
    そのため、疲労の回復スタミナ増強代謝の改善などが期待でき、運動後のリカバリーを助ける成分としてスポーツ飲料にも配合されています。

ストレス社会の救世主「GABA(ギャバ)」も豊富に増加

もう一つ注目すべき成分が、アミノ酸の一種であるGABA(γ-アミノ酪酸)です。

  • 増加の理由
    GABAは、大豆などが発芽する過程で生成・増加することが確認されています。
  • 期待できる効果
    精神安定作用で知られており、リラックス効果ストレスの緩和睡眠の質の向上などが期待できます。
    ストレスを多く感じている方や、質の高い休息を求める方に特におすすめの成分です。

見落とし厳禁!発芽で増える主要栄養素

もやしは、水溶性のビタミンB群ビタミンC、さらに鉄分カリウム、そして豊富な食物繊維といった、現代人に不足しがちな栄養素もバランス良く含んでいます。
これらの多くが、発芽によって含有量が増加しています。

栄養の宝庫「ひげ根」は取り除かないで!

もやしの調理時に、見た目を気にしてひげ根(根っこ)を取り除く人が多くいますが、栄養を重視するならそのまま調理することが推奨されます。

  • 食物繊維の集中
    もやしの部位の中で、ひげ根に食物繊維が最も多く含まれています。
    腸内環境を整え、便通を改善する効果があります。
  • ビタミンCの流出防止
    ひげ根を取ることで切り口が増え、水溶性であるビタミンCの流出が増加してしまいます。

栄養素をしっかりと摂取し、シャキシャキとした食感も楽しみたい場合は、ひげ根は取らずに食べるようにしましょう。


チルド室で「鮮度と栄養」を3日後でも9割キープする方法

もやしは水分が約90%と多く、成長(老化)が非常に早いため、長期保存には向いていません。
常温はもちろん、設定温度が高めの冷蔵室(特に野菜室)ではすぐに傷んでしまい、同時に栄養素、特にデリケートなビタミンCが大幅に失われてしまいます。

もやしの鮮度と栄養の損失を最小限に抑えるためには、チルド室での保存が最も効果的です。

なぜチルド室がもやし保存に最適なのか

もやしは低温を好みますが、凍結させてしまうと細胞が破壊されて食感が失われます。

  • 理想の温度
    チルド室は、凍る直前の温度(概ね0℃〜3℃)に設定されており、もやしの呼吸作用を抑え、成長(老化)の速度を遅らせるのに最適な環境です。
  • ビタミンCの保持効果
    もやしに含まれるビタミンCは、常温保存では3割程度、冷蔵室でも5割程度が失われると言われていますが、チルド室なら3日後でも9割程度の高いレベルで保てるようになります。

鮮度・栄養を約1週間保つ「ひと手間」保存術

鮮度と栄養をより長くキープするために、購入後に以下のひと手間を加えてからチルド室に入れましょう。

  1. 軽く加熱する(半加熱)
    軽くお湯でさっと湯通しするか、電子レンジで20秒ほど軽く加熱します。
    これは、もやしが持つ酵素の働きを抑え、劣化を遅らせる目的があります。
  2. 水気を完全に拭き取る
    加熱後、キッチンペーパーなどで水気を丁寧に拭き取ります。
    水分は雑菌の繁殖を促すため、しっかりと除去することが重要です。
  3. 小分けにして密閉
    1回で使い切る量に小分けし、食用フィルムや密閉できる保存袋に入れます。
  4. チルド室へ
    チルド室で保存することで、1週間程度はみずみずしさと栄養を保つことができます。

他の保存方法のメリット・デメリット

  • 水に浸す方法
    もやしの生育環境に近いため鮮度は保たれやすいですが、水溶性ビタミン(ビタミンCなど)が水に流出してしまいます。
    さらに、雑菌の繁殖を防ぐために毎日水の交換が必要であり、その都度栄養素が抜けてしまうというデメリットがあります。
  • 冷凍保存
    チルド室がない場合は、茹でるかレンジ加熱した後に水気を切って冷凍室で保存することも可能です。
    長期間の保存は可能ですが、解凍時に食感が変わりやすいという点は理解しておきましょう。

もやしの栄養価を最大限に享受するためには、チルド室での保存を基本とし、なるべく早く(理想は3日以内)食べきるように心がけてください。

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