生姜の独特な香りや辛味の元となる成分には、身体を温めたり、免疫機能を高めたりする効果があるとされています。
生姜の持つパワーを最大限に引き出すためには、「生の生姜」と「加熱した生姜」で成分の働きが変わることを知っておくことが重要です。
ここでは、生姜の主要成分である「ジンゲオール」と「ショウガオール」の特性と、効率的な摂取方法を解説していきたいと思います。
生の生姜は「ジンゲオール」!免疫力と殺菌作用
生の生姜に豊富に含まれるのが、辛味成分であるジンゲオールです。
ジンゲオールの主な効果と特徴
- 強い殺菌・抗菌作用
風邪の原因となる菌などに対する殺菌作用があり、古くから薬味として利用されてきました。 - 免疫機能のサポート
免疫細胞を活性化させる働きがあると言われています。 - 一時的な血行促進
摂取すると一時的に手足などの末端を温める作用があります。
ジンゲオールは皮のすぐ近くに多く含まれています。
洗って泥を落とせば、皮はむかずにそのまま使うのが最も効率的です。
ジンゲロールは、空気に触れると酸化しやすい性質を持っています。
特にすりおろすと、わずか3分でジンゲオールの量が半分以下になるとも言われています。
効果を最大限に得るには、食べる直前に調理し、細かく刻みすぎない(千切りなど)方がおすすめです。
加熱・乾燥で変身!「ショウガオール」はダイエットと深部体温アップの味方
生の生姜に含まれるジンゲオールは、加熱や乾燥といったプロセスを経ることで、より強力な温め成分であるショウガオールに変化します。
ショウガオールの主な効果と特徴
- 深部体温の上昇
血行を改善し、身体の深部から熱を作り出すことを促します。
この作用により、冷え性の改善に大きく貢献します。 - ダイエット効果に期待
身体内の糖質や脂質の燃焼を促進する働きがあるので、代謝アップやダイエットのサポートにも期待できます。 - 持続的な温め効果
ジンゲオールの一時的な温め作用に対し、ショウガオールは持続的に身体を温めます。
ショウガオールを増やすための加熱・乾燥テクニック
ショウガオールを効率よく増やすためのポイントは、温度管理です。
| 調理方法 | ポイント | 備考 |
| 加熱 | 100℃以下でじっくりと | 100℃を超えるとショウガオールの働きが失われ始めるため、煮物や炒め物、お茶など、低温で加熱する料理が最適です。 |
| 乾燥 | 天日干しや室内干し | 天日干しなら1日、室内干しなら傷まないように注意しながら1週間程度干すとショウガオールを増やすことができます。 |
生の生姜(ジンゲオール)が持つ殺菌・免疫力アップのメリット、そして加熱した生姜(ショウガオール)が持つ持続的な温め・ダイエットサポートのメリットを知ることで、目的に合わせて生姜を使い分けてみましょう。
まとめ|目的別・生姜の使い分け
| 摂取目的 | 最適な成分 | おすすめの調理法 |
| 免疫力アップ・殺菌作用 | ジンゲオール(生) | 刺身の薬味、冷奴、味噌汁の具材など、生で使う |
| 冷え性改善・ダイエット | ショウガオール(加熱) | ジンジャーティー、スープ、煮物、佃煮など、加熱して使う |

