「野菜や果物は健康に良い」とわかっていても、普段食べている実の部分だけでなく、皮や葉、種にも驚くほどの栄養が詰まっています。
食材本来の栄養を取り込むには、「まるごと食べること」が基本です。
この記事では、普段捨ててしまいがちな部分に秘められた栄養価と、安全にまるごと食べるためのヒントをご紹介していきたいと思います。
栄養の宝庫!野菜・果物の「皮」を食べるメリット
野菜や果物の皮は、実を守るバリアとして機能するため、ポリフェノールや食物繊維などの機能性成分や実の内部には少ない栄養素が豊富に含まれています。
皮を剥いてしまうと、そのすぐ下にある栄養豊富な部分まで取り除いてしまうことになります。
- 根菜類(じゃがいも、ごぼう、大根、にんじんなど)
皮のすぐ下には、実を守るためのミネラルやビタミンが集中しています。
特にごぼうやじゃがいもは、皮ごと調理することで風味も増します。 - 果物(りんご、ぶどうなど)
皮には強い抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれており、特に色が濃い果物ほどその傾向が強いです。
生長の源!野菜の「種」と「ワタ」に詰まった栄養
種やワタは、植物が次世代を生長させるための栄養を凝縮した部分です。
可食部分にはない特有の栄養素を含んでいることもあります。
| 食材 | 捨てる部分(種・ワタ)の栄養成分 | メリット |
| かぼちゃ | 不飽和脂肪酸、ビタミンE | 抗酸化作用や血行促進に役立つ栄養が豊富。 |
| ピーマン | 種とワタ | 実の約90%が水分のピーマンに対し、種にはビタミンやミネラルが詰まっています。 |
| すいか | 種 | ビタミンEが豊富。 |
「種を食べるのは抵抗がある」という方もいますが、例えばかぼちゃのワタと種はスープや煮込み料理に加えることで、風味と栄養価をアップすることができます。
緑黄色野菜としてのパワー!根菜類の「葉」
大根、かぶ、にんじんなどの根菜類の葉は、太陽の光をたっぷり浴びて育った緑黄色野菜になります。
捨ててしまいがちですが、実の部分よりも栄養価が高いこともあります。
葉には主にβ-カロテンやビタミンC、カルシウムなどが豊富に含まれています。
| 食材 | 葉の部分の栄養 | 補足 |
| にんじん | 可食部分に比べ5倍のカルシウム | 鉄分も豊富で、かき揚げや炒め物におすすめ。 |
| 大根 | ビタミンEを含有、ビタミンCは実の5倍、繊維質は2倍 | 実にはない栄養素も補給でき、ふりかけや漬物に最適。 |
| ブロッコリー | 茎(芯) | 実(蕾)とほぼ同じくらいのビタミンCを含みます。 |
固いからと捨ててしまいがちなブロッコリーの茎なども、薄切りにしたり、細かく刻んで調理することで、無駄なく栄養を摂取できます。
まとめ|栄養を逃さない「まるごと食べ」のススメ
栄養を意識して野菜や果物を食べるなら、皮、葉、種などの普段捨てている部分にも注目してみましょう。
これらの「非可食部分」は、実は食材本来の栄養素や機能性成分が凝縮された部分でもあることが多いです。
- 皮: よく洗い、皮ごと調理する。
- 種・ワタ: スープや炒め物、ミキサーにかけるなどで活用する。
- 葉・茎: 炒めたり、刻んでふりかけにするなどして食べる。
今日から「まるごと食べ」を意識して、食材の持つ栄養を効率的に取り入れてみてはいかがでしょうか?

