そのしいたけ、ビタミンDはゼロかも?知られざるしいたけの真実
しいたけは、低カロリーでありながら、健康維持に欠かせないビタミンDを豊富に含む貴重な食材です。
特に、ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨粗鬆症の予防や免疫機能の維持に重要な役割を果たします。
しかし、室内栽培が主流の生のしいたけは、収穫時、ビタミンDの含有量がほぼゼロの状態であることが多いのをご存知でしょうか。
魔法の30分!日光浴でビタミンDが10倍に跳ね上がるメカニズム
しいたけには、エルゴステロールという成分が含まれています。
このエルゴステロールは、紫外線を浴びることで体内で活躍するビタミンD(ビタミンD2)へと劇的に変化する性質を持っています。
この「日光浴」こそが、しいたけの栄養価を最大限に引き出す最強の裏技です。
たった30分〜1時間の日光浴で、しいたけのビタミンD含有量は、約10倍に増加すると言われています。
さらに、ビタミンDだけでなく、食物繊維やビタミンB1の量も増加する研究結果があり、美容と健康への効果も期待できます。
この方法は、生のしいたけだけでなく、熱風などで乾燥させた市販の干ししいたけにも有効です。
ビタミンDを効率よく摂取したいなら、調理前のひと手間である「天日干し」は欠かせません。
注意点
窓ガラスは紫外線を遮断してしまうため、必ず窓を開けた状態、または屋外で日光に当てましょう。
電子レンジでの乾燥(レンジ干し)では、ビタミンDは増えません。
栄養と旨みを高める!しいたけ「日光浴」実践ガイド
たった30分でできる簡単な「日光浴」と、うま味を引き出す戻し方をご紹介します。
【日光浴のポイント】
- カサを下に、ヒダを上にして干す
紫外線が当たりやすいように、ザルや干し野菜ネットにカサの裏側(ヒダの部分)を上にして並べます。 - 時間の目安
- すぐに使う場合(生しいたけ): 30分~1時間
- 保存性を高める場合(自家製干ししいたけ): 1〜2日程度、カラカラになるまでしっかりと水分を抜きます。水分が残ると雑菌が繁殖しやすくなります。
- 保存
一度生成されたビタミンDは安定しているため、天日干しした後にラップや袋に入れて冷蔵・冷凍しても効果は持続します。
【旨みが10倍に!美味しい干ししいたけの戻し方】
干ししいたけは、戻し方次第で旨みが大きく変わります。
- 軽く水洗いする
表面の汚れを軽く落とします。 - 低温でじっくり一晩
容器に干ししいたけを入れ、カサの裏側が水に浸る程度の水を注ぎます。
食品用フィルムなどを水面に密着させ、冷蔵庫で一晩(約5時間以上)かけてじっくり戻しましょう。 - 旨み成分グアニル酸を最大化
低温で時間をかけて戻すことで、きのこの持つ旨み成分「グアニル酸」が十分に引き出され、おいしさが格段にアップします。
軸をつまんで柔らかくなっていれば完了です。
まとめ|今日から始めるしいたけの賢い食べ方
| 目的 | 方法 | 効果 |
| ビタミンD強化 | 30分~1時間の天日干し(ヒダを上にして) | ビタミンDが約10倍に増加 |
| 旨み強化 | 低温(冷蔵庫)で一晩かけて水戻し | 旨み成分グアニル酸が生成され、おいしさが向上 |
しいたけは、ただ食べるだけでなく、日光の力を借りて栄養価をアップさせる「ひと手間」が非常に有効な食材です。
今日からぜひ、しいたけを日光浴させて、美味しく健康な食生活を送りましょう。

