低カロリーなきのこを「冷凍」でもっと美味しく、もっと健康に!
きのこは、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な低カロリー食材の優等生です。
特に、健康や美容に役立つ様々な栄養が含まれており、日々の食卓に取り入れたい食材ですが、実は冷凍保存することで、その「うま味」と「栄養価」を飛躍的にアップさせられることが分かっています。
生のきのこを冷凍してから調理することで、うま味成分や一部の栄養素が3倍以上にも増えると言われています。
なぜ冷凍で「うま味」がアップするのか?驚きのメカニズム
きのこのうま味の主成分は、グアニル酸やアミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸など)です。
生のきのこは、これらのうま味成分をほぼ含んでいません。
うま味成分は、きのこの細胞が壊れた時に働く「RNA分解酵素(ヌクレアーゼ)」によって生成されます。
- 冷凍による細胞壁の破壊
きのこを冷凍すると、細胞内の水分が凍り、膨張することで細胞壁が物理的に破壊されます。 - 酵素の活性化
細胞が壊れると同時に、うま味成分を作り出すRNA分解酵素が働きやすくなります。 - うま味成分の大量生成
加熱調理時にもこの酵素が働き、細胞が壊れたところからグアニル酸やアスパラギン酸などのうま味成分が一気に生成されます。
この冷凍と加熱の二段階を経ることで、うま味成分の量が生のきのこを加熱した場合の3倍から4.5倍にもなるとされています。
美味しくなるだけでなく、細胞壁が壊れることで、きのこに含まれるビタミンDやビタミンB群といった栄養素も体内に吸収されやすくなる効果も期待できます。
冷凍きのこ調理の鉄則!「凍ったまま」使う
冷凍したきのこのうま味成分や栄養を最大限に活かすには、調理時に解凍しないことが最大のポイントです。
きのこに含まれるビタミンB群などは水溶性です。
解凍してしまうと、水分と一緒に貴重な栄養成分やうま味が流出してしまう可能性があります。
凍ったまま汁物や炒め物、煮込み料理に使うことで、水溶性成分の流出を防ぎ、旨みが凝縮された状態できのこを美味しくいただけます。
【冷凍保存の簡単手順】
- 下処理
石づきを切り落とし、汚れは水洗いせずキッチンペーパーなどで拭き取ります。(水気は劣化の原因になります) - カット
料理に使う大きさに手でほぐすか、カットします。 - 冷凍
冷凍用保存袋に入れ、なるべく空気を抜いて平らにし、急速冷凍します。
これで約1ヶ月間保存が可能です。
特に冷凍をおすすめしたい注目きのこ3選
冷凍によってうま味や栄養のパワーアップが期待できるきのこの中から、特に注目の3種をご紹介します。
| きのこ | 注目成分 | 冷凍のメリットと調理のコツ |
| えのきだけ | キノコキトサン | 【ダイエットに◎】 食物繊維「キノコキトサン」は、ミキサーにかけたり冷凍で細胞壁を壊したりすると吸収率が向上するとされています。 冷凍後、スープなどに凍ったまま入れるのがおすすめです。 |
| ぶなしめじ | ビタミンB群 | 【美肌・代謝促進】 水気に弱く傷みやすいぶなしめじは冷凍で長期保存が可能に。 ビタミンB群も豊富で、凍ったまま味噌汁や鍋物に加えるだけでうま味と栄養がアップします。 |
| まいたけ | MXフラクション | 【ダイエットをサポート】 まいたけ特有の成分「MXフラクション」は、脂質の吸収を抑える効果が期待されます。 この成分は80℃以上で分解されやすいため、味噌汁やスープの仕上げにサッと入れるのが、成分を活かすコツです。 |
きのこは冷凍するだけで、長期保存が可能になるだけでなく、うま味と栄養価を格段に高めることができる「最強の保存食材」です。
ぜひ、今日から冷凍きのこを常備してみてはいかがでしょうか。

