「長寿大国ニッポン」を脅かす過剰医療の闇|死亡原因第3位は〇〇だった?

薬 健康

日本は世界トップクラスの長寿国であり、その要因は「医療の進歩」にあるとされています。

しかし、本当に医療は私たちを本当の意味で健康に導いているのでしょうか?

この記事では、欧米の研究で指摘されている「過剰な医療」が寿命を縮めている可能性について解説をしていきたいと思います。
特に、多くの日本人が服用する高血圧の薬と、その診断基準の裏側にある「闇」についてのお話です。

長寿を脅かす「過剰医療」の深刻な実態

医療が進歩すればするほど、私たちの寿命は延びるはず、と普通なら思うかもしれません。
ところが、海外の専門家の間では、この常識を覆す衝撃的な指摘もなされています。

アメリカの死因第3位は「医療ミス・過剰医療」

米国の研究者が発表した厳密な調査結果によると、アメリカの三大死因は以下の通りです。

  1. 心臓病
  2. がん
  3. 医療ミス・過剰医療(Medical Error)

この「医療ミス・過剰医療」には、誤診、投薬ミス、手術中の事故、そして不適切かつ不必要な検査や処置が含まれます。
この研究では、年間約25万人もの人々が、これら「回避可能なミス」によって命を落としていると推計されています。(出典:2016年米ジョンズ・ホプキンス大学研究など)
この事実は、「医療を受ければ受けるほど健康になる」という私たちの認識に、大きな警鐘を鳴らすものになります。

※これは公的な機関である疾病対策センター(CDC)の公式な統計とは異なります。

欧米で浮き彫りになる「医療過多」のリスク

欧米の多くの論文で、不必要な検診や過剰な投薬治療が、かえって患者の平均寿命を短縮させる可能性があることが指摘されています。

日本では、予防や早期発見の名のもとに検診が推奨され、少しでも基準値を超えるとすぐに薬が処方されますが、その基準値自体が本当に患者の健康寿命を延ばすために設定されているのか、私たちはもっと目を向ける必要があるのかもしれません。

「薬漬け」の引き金?下がり続ける高血圧の基準値

日本で最も多く処方されている薬の一つが、降圧剤(血圧の薬)です。

なぜ、これほど多くの日本人が高血圧患者と診断され、薬を飲み続けているのでしょうか。

高血圧患者が激増した背景

「塩分の摂りすぎ」といった生活習慣の問題ももちろんありますが、高血圧患者の増加には「診断基準」の厳格化が大きく影響しています。
血圧の基準値は過去数十年にわたり、驚くほど下がり続けています。

年代基準値(収縮期/拡張期)診断される血圧
1948年180 / 110非常に高い数値
1977年160 / 95厳格化の始まり
2003年140 / 90現在も日本の基本的な診断基準(診察室血圧)
特定健診(旧基準)130 / 85特定健診における積極的な指導対象(高値血圧)

このように、昔なら「正常」とされていた数値でも、現在の基準では「高血圧予備軍」や「高値血圧」として診断され、治療や生活指導の対象になってしまいます。
基準値が厳しくなればなるほど、当然高血圧患者と診断される人の割合は増えることになります。

日本高血圧学会は6年ぶりの改訂となる「高血圧管理・治療ガイドライン2025」を発表、2025年8月29日(金)に発刊。
降圧目標は年齢によらず130/80mmHg未満(診察室血圧)、125/75mmHg未満(家庭血圧)

基準値引き下げの真の目的

高血圧の基準値が下がると、「より早期に治療でき、患者の健康に役立つ」という表向きの理由が掲げられます。

ですが、基準値が1つ下がるたびに、新たに数百万人の「患者」が生まれ、製薬会社の巨大な市場が拡大するという経済的な側面もあるのも事実です。
医療自体がビジネスになっているということも認識しないといけません。
多くの医療関連の研究が製薬会社からの資金援助を受けているという構造的な問題もあり、「薬を飲んだグループと飲まないグループで、本当に寿命に差が出ているのか?」という根本的な検証結果が、不自然な数字によって曖昧にされているケースも少なくないのではないでしょうか。

薬を飲まない方が長寿?問われる降圧剤の「効果」

日本人の血圧は全般的に低下傾向にあるにもかかわらず、成人人口の約半分が何らかの血圧治療の対象となっています。

降圧剤の効果に関する懐疑的な論文

多くの大規模調査では、降圧剤を飲んだグループと飲まなかったグループ(またはプラセボ:偽薬)との間で、最終的な寿命や心臓血管系の発生率に有意な差が出ないという報告が多数存在します。

特に軽度な高血圧の場合、薬の副作用リスクと、薬を飲んだことによる長寿効果を比較した場合、必ずしも薬のメリットが大きいとは限らないという見解があります。
「降圧剤を飲まなくても、生活習慣の改善だけで十分」というケースは多いのではないでしょうか。

私たちが取るべき行動

過剰医療のリスクを避け、真の健康長寿を目指すために、私たちができることは何でしょうか。

  1. 検査結果を鵜呑みにしない
    基準値を少し超えただけで、すぐに「病気だ」と決めつけない。
    特に軽度の場合は、生活習慣の改善(食事、運動、睡眠)を最優先にする。
  2. 医師に疑問をぶつける
    薬を勧められたら、「なぜこの薬が必要なのか」「薬を飲まない場合のリスクは何か」「薬以外の治療法はないか」を遠慮なく質問し、納得した上で治療を選択する。
  3. 情報リテラシーを高める
    健康情報や薬の効果に関する情報を、製薬会社やスポンサーの影響を受けていない、信頼できる情報源から多角的に収集する。

過剰な医療介入は、時には患者自身の自然治癒力や免疫機能を低下させることにも繋がります。
自分の身体と向き合い、本当に必要な医療を見極めることが、健康長寿への最も重要な道筋だと思います。

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