【高齢者の転倒予防】脚の力を引き出すには体幹が重要!脳の先行活動を高める簡単エクササイズ

椅子シニア筋トレ 介護予防・体力回復

「最近、何もないところでつまずくことが増えた」
「階段の上り下りでふらつく瞬間がある」

そんな不安を抱えていませんか。

実は、転倒を防ぐ為に重要なのは脚の筋力だけではありません。
身体を支える中心部である体幹(コア)、そして脳が筋肉を動かす際の「準備の速さ」が大きく関わっています。
動作の直前に体幹が先に働く「体幹筋の先行活動」が転倒予防に重要となります。
よろしければ参考にしてみてください。

この記事では、その仕組みと自宅でできる簡単エクササイズを解説していきたいと思います。


なぜ体幹を鍛えると転倒しにくくなるのか?

多くの人は「転倒予防=脚の筋トレ」と考えがちですが、実際には体幹こそが全身の安定を左右する軸です。
体幹とは、腹部、腰部、背部、骨盤を含む胴体全体を指します。
手足(上肢。下肢)を動かす支点になります。
スポーツ科学の分野では、「近位の安定性なくして遠位の可動性なし」という言葉が使われています。
これは、「体幹の安定があって初めて手足の力が十分に発揮することができる」ことを意味しています。

  • 姿勢の安定
    手足の力を十分に発揮することができます。
    重心がぶれにくくなり、ふらつきが減ります。
  • 反射的な踏ん張りをサポート
    つまずいた瞬間に体勢を立て直す力は、まず体幹から生まれます。
  • 歩行バランスの向上
    背筋が伸び、脚がスムーズに前へ出るようになります。

体幹は建物でいうと「大黒柱」です。
ここが弱いと、どれだけ脚の筋力があっても全体のバランスは崩れやすくなりますし、十分に筋力を発揮できなくなってしまいます。


転倒を防ぐ脳のスイッチ「体幹筋の先行活動」とは?

転倒予防で見落とされがちなのが、筋肉が働く“タイミング”です。

手足が動く0.1秒前に体幹が働く

私たちが手を伸ばす、一歩踏み出すといった動作をする時、脳は「これから身体が不安定になる」と予測します。
その予測に基づき、手足が動く約0.1秒前に腹横筋などの体幹筋が先に収縮します。
この仕組みが「体幹筋の先行活動」です。

先行活動が低下すると転倒リスクが上がる

加齢や運動不足により、この“事前準備”が遅れると、体幹が安定しないまま手足が動き、身体が大きく揺れてしまいます。

  • 先行活動が正常な場合
    軸が安定し、つまずいても瞬時に足が出て踏ん張れる。
  • 先行活動が低下した場合
    手足を動かした瞬間に身体がぐらつき、立て直しが間に合わず転倒しやすくなる。

転倒予防には「動く前に体幹を自動的に働かせる脳の回路」を再教育することが重要となります。


【初心者向け】自宅でできる転倒予防トレーニング5選

プランク

では、実際にどのようなことをすればいいのでしょうか。
ここでは、体幹筋の先行活動を高め、ブレない身体を作る為の簡単メニューを紹介したいと思います。
回数などはあくまで目安になりますので、自分の体力に合わせて、調整をしてみてください。
安全の為、壁や椅子の近くで行うようにしましょう。


① ドローイン(体幹トレの基本)

腹部のインナーマッスルである腹横筋を活性化し、先行活動のスイッチを入れやすくします。

  1. 仰向けに寝て膝を立てる
  2. ゆっくり息を吐きながら、おへそを背中に近づけるようにお腹を凹ませる
  3. そのまま10秒キープ × 5回

② 椅子に座ったまま足上げ(先行活動の練習)

「お腹を締めてから足を動かす」感覚を身につけます。

  1. 椅子に浅く座り、背筋を伸ばす
  2. 軽くお腹を凹ませて体幹をセット
  3. 片足ずつゆっくり膝を上げる
  4. 左右10回ずつ

③ 片足立ち(バランス能力アップ)

  1. 壁や椅子に手を添える
  2. 姿勢を正し、片足を数センチ浮かせる
  3. 30秒キープ(慣れたら手を離す)

④ ダイアゴナル・レイズ(対角線の連動強化)

歩行時の“ねじれ”に強くなります。

  1. 四つん這いになる
  2. 右手と左足を同時に、床と平行に上げる
  3. 5秒キープして戻す
  4. 反対側も同様に

⑤ 踏み出しトレーニング(実践的な踏ん張り)

  1. まっすぐ立つ
  2. 一歩大きく前に踏み出す
  3. 踏み出した足でしっかり床を捉え、ピタッと止まる
  4. お腹で身体を支えながら元の位置へ戻る

トレーニングを続ける為のコツ

  • 1日3分」から始める(ハードルを極限まで下げる)
    負担が大きい習慣を続けるのは難しいので、まずは 3分だけ・1種目だけ でOK。
    「これならできる」と脳が判断すると習慣化しやすいです。
  • ながら習慣にする
    テレビを見ながら、歯磨きしながらなど、日常に組み込むと継続しやすいです。
  • 時間を決めずにタイミングで習慣化する
    「毎日19時にやる」は続きにくいですが、「歯磨きの後にドローイン」
    「テレビをつけたら片足立ち」のように 日常習慣にくっつける習慣化しやすいです。
  • 痛みが出たら中止する
    無理に行う必要はありません。
    膝や腰に違和感がある場合は無理せず専門家に相談をしましょう。

まとめ|転倒しない身体は「脳 × 体幹」の連携で作られる

転倒は骨折や寝たきりに繋がる重大なリスクです。
予防には脚の筋力がもちろん重要ですが、それだけではなく、体幹筋を鍛えて、その先行活動を取り戻すことで脚が力を発揮しやすくなります。

「10年後も、自分の脚で行きたい場所へ行けるように」
今日から数分の体幹トレーニングを新しい習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました