【高齢者向け】寝たまま筋トレ習慣|布団でできる簡単メニュー紹介|足腰の衰えを防ぎ転倒やつまずきを予防

歩く 介護予防・体力回復

「人生100年時代」と言われる現在、いつまでも自分の脚で元気に歩き続けることは、誰もが願うことかと思います。
しかし、加齢とともに筋肉量は自然と減少してしまいます。
特に「下半身の筋力」の低下は上半身よりも顕著で、歩行困難や寝たきりに繋がってしまいます。
これは全員に関わるので、大きな課題になります。

「運動しなきゃいけないのはわかっているけれど、外に出るのは面倒」「膝や腰が痛くて、立ち上がってのスクワットなんて無理」そんな方にこそ取り組んでほしいのが、「寝たまま行う筋力トレーニング」です。

この記事では、高齢者が自宅のベッドや布団の上で安全にできるトレーニングを解説していきたいと思います。
参考になれば幸いです。


高齢者に「寝たまま筋トレ」が推奨される3つの理由

なぜ、立って行う運動よりも「寝たまま」が良いのでしょうか?
それには高齢者特有の体の事情に即した理由があります。

① 関節への負荷(自重)をコントロールできる

立って運動をすると、膝や股関節には「体重の数倍」の負荷がかかります。
軟骨がすり減っている方にとって、これは痛みを悪化させる原因になります。
寝た状態なら、重力による関節への圧迫を最小限に抑えつつ、筋肉だけを効率よく刺激できます。

② 転倒・骨折の二次災害を防ぐ

高齢者の事故で最も多いのが「室内での転倒」です。
トレーニング中にバランスを崩して転倒し、大腿骨を骨折してそのまま寝たきりになってしまうケースは少なくありません。
寝たまま行うことで、この最大のリスクを完全に回避することができます。

③ 「フレイル(虚弱)」予防に直結する

フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の時期を指します。
寝たまま筋力トレーニングを習慣化することで、基礎代謝が上がり、食欲がわき、精神的にも前向きになるという好循環が生まれます。


【お悩み別】寝たままできる厳選トレーニングメニュー

シニア夫婦運動

ご自身の気になる部位や日常生活での困りごとに合わせて選んでみてください。

【お悩み:階段や立ち座りが辛い方へ】

■ ヒップリフト(大臀筋・脊柱起立筋の強化)

お尻の大きな筋肉を鍛えることで、骨盤を安定させ、姿勢をまっすぐに保つ力がつきます。

  1. 準備
    仰向けになり、両膝を90度くらいに立てます。
    手は手のひらを下にして横に置きます。
  2. 動作
    足の裏でしっかりと床(布団)を押し、ゆっくりとお尻を持ち上げます。
  3. ポイント
    肩から膝までが一直線になる高さまで上げたら、5秒間キープ
  4. 回数
    10回を目安に行います。
    お尻を下ろすときは、ドスンと落とさず、ゆっくり下ろすのがコツです。

【お悩み:何もないところでつまずきやすい方へ】

■ 足首の底背屈(ていはいくつ)運動

「すね」の筋肉(前脛骨筋)を鍛え、歩行時につま先がしっかり上がるようにします。

  1. 両足を伸ばして座るか、寝た状態になります。
  2. つま先を自分の顔の方へ、できるだけ強く引き寄せます(3秒)。
  3. 次に、つま先を遠くへ押し出すようにピンと伸ばします(3秒)。
  4. 往復で1回とし、20回繰り返します。
  5. むくみの解消や、エコノミークラス症候群の予防にも非常に効果的です。

【お悩み:腰痛がある、お腹周りが気になる方へ】

■ 足の横開き運動(中臀筋の強化)

歩く時の「横揺れ」を防ぎ、股関節の安定性を高めるトレーニングです。

  1. 横向きに寝て、下の足は軽く曲げ、上の足は真っ直ぐ伸ばします。
  2. 上の脚を天井に向かってゆっくり30度ほど持ち上げます。
  3. つま先が上を向かないよう、横を向けたまま上げるのがコツです。
  4. 左右10回ずつ行います。

運動効果を高める「正しい呼吸法」と注意点

女性

間違ったやり方は、効果を低下させるだけでなく、身体に負担をかけてしまいます。

「数を数える」ことが最強の安全策

筋力トレーニング中に最もやってはいけないのが「息を止めること」です。
高齢者の場合、息を詰めると急激に血圧が上がり、心臓に負担がかかります。

対策は簡単です。
「いち、に、さん……」と声に出して数えながら動いてください。
声を出している間は必ず息を吐いているので、血圧の急上昇を防げます。

頻度とタイミング

毎日やる必要はありません。
「1日おき」でも十分効果があります。
筋肉が回復する時間(休息)も大切です。
朝、目が覚めて布団の中で行うと、血流が良くなり身体がスムーズに動くようになります。
逆に、寝る直前の激しい運動は目が冴えてしまうので、ゆったりとしたペースで行いましょう。


モチベーションを維持して「習慣」に変えるコツ

「明日からやろう」を「今からやろう」に変える為のヒントです。

  • カレンダーにシールを貼る
    できた日に印をつけるだけで、達成感が視覚化され、継続しやすくなります。
  • 家族と一緒に
    離れて暮らすご家族がいる場合は「今日はこれをやったよ」と電話やLINEで報告し合うのも良い刺激になります。
  • 完璧主義を捨てる
    3種類全部できなくてもOKです。
    「今日は足首を動かしたから満点!」と自分を褒めてあげてください。

まとめ|今日から始める「未来の自分」への投資

筋力トレーニングは、若い人が行うイメージが強いかもしれませんが、高齢の方ほど行う必要があります。
筋力は何歳からでも鍛えることができますので、遅いということはありません。
80代、90代から始めても、筋肉が太くなり、歩行が安定したという研究結果はたくさんあります。

「寝たまま行う筋力トレーニング」は、いわば一生自分の脚で歩き続ける為の「貯金」でもあります。
今日、布団の中で足を動かしたその一歩が、5年後、10年後の自由な生活を作ってくれます。

まずは今、この画面を閉じた後に、足首をパタパタと5回動かすことから始めてみませんか?

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