「年だから仕方ない」と諦めてしまいがちな皮膚のたるみや血管の衰え、これらの老化現象には、「AGE(終末糖化産物)」という物質が深く関わっていることが分かっています。
AGEは、紫外線や活性酸素(酸化)と並ぶ老化の主要な原因の一つです。
この記事では、AGEが体内で作られる仕組みと、老化の進行を遅らせるためのAGEを減らす具体的な対策を解説していきたいと思います。
老化のきっかけとなる物質「AGE」とは?
AGEとは、「Advanced Glycation Endproducts(終末糖化産物)」の略で、タンパク質が体内の糖質と結びついて変性した糖化物質です。
これは、パンの焦げ目やキツネ色の焼き色をつける「メイラード反応」と同じ現象が体内で起こっている状態です。
AGEが老化を早める仕組み
体内にAGEが増加すると、もろくなった血管や骨、弾力を失った肌など、様々な組織に蓄積します。
- 血管の老化
AGEが血管の壁に蓄積することで、動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。 - 肌の老化
コラーゲンなどのタンパク質が糖化し、肌の弾力やハリが失われます(たるみ、シワの原因)。 - 骨の老化
骨のタンパク質が糖化し、骨がもろくなります。
「長生きすれば、組織がボロボロになり老化するのは当たり前」かもしれませんが、その老化の進行度には、AGEの蓄積量が深く関わっています。
体内でAGEを増やす最大の原因は「高血糖」
体内でAGEが多く作られる最大のきっかけは、「高血糖」です。
- 糖質の多さ
血液中に糖質(ブドウ糖)が多い状態が続くと、その分、体内のタンパク質と糖質が結びついてAGEが作られやすくなります。 - 期間の長さ
血糖値が高い期間が長く続けば続くほど、大量のAGEが作られ、老化が進行します。
なので、血糖値コントロールができていないと、老化は加速してしまうと考えられます。
血糖値が正常範囲内であっても、長く生きるほどAGEは徐々に蓄積していくので、糖化対策が日々重要になります。
食事からもAGEは摂取されている!減らす具体的な方法
AGEは、体内で作られるだけでなく、高温で加熱調理された食品からも摂取されています。
AGEが多い食品と調理法
AGEは、タンパク質や糖質を含む食品を高温で加熱するほど多く生成されます。
AGEが多い食品は、見た目で判断することができ、「焦げ目」や「キツネ色」になっている食品は、AGEが高いです。
- 高AGE食品の例
唐揚げ、フライドポテト、揚げ物全般、ステーキの焼き過ぎた部分、焼き菓子など - AGEを増やしやすい調理法
揚げる、炒める、高温で焼く(水を使わない調理)
老化を防ぐためにAGEを減らす具体的な対策
老化の進行を遅らせるには、体内で作られるAGEと、食事から摂取するAGEの両方を減らすことです。
| 対策 | 具体的な行動 | AGE低減の仕組み |
| 血糖値コントロール | 糖質の多い食事や食べ過ぎを避け、血糖値を急激に上げない食生活を心がける。 | 血液中の糖質を減らし、体内でAGEが作られるのを防ぐ。 |
| 調理法の変更 | 揚げる・焼く中心から、「煮る・蒸す・茹でる」中心の調理法に変える。 | 水を使う低温調理は、AGEの生成量を大幅に抑えられる。 |
| 食品の選択 | 唐揚げやフライなどの揚げ物を大量に食べる習慣を見直す。 | 外部からのAGE摂取量を減らし、身体への負担を軽減する。 |
老化は、自然現象で抗うことはできませんが、ある程度遅らせることはできるかと思います。
毎日の小さな食習慣の積み重ねが、将来の老化の進行に大きな差を生みますので、普段からAGEを意識した食生活をしてみるといいのではないでしょうか。

