トリガーポイントとは?慢性的な痛みの根本原因を解明し、効果的な対処法を学ぶ

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肩や首の慢性的な凝り、原因不明の腰痛、頻繁に起こる頭痛。
これらのつらい症状に、もう慣れてしまっていませんか?
その痛みの裏には、「トリガーポイント」という、見過ごされがちな筋肉の問題が隠されているかもしれません。
この記事では、トリガーポイントがなぜ私たちの身体を蝕むのか、そのメカニズムから、自宅でできる効果的なセルフケアを解説していきたいと思います。


トリガーポイントの正体|ただの「凝り」ではない

トリガーポイントは、筋肉の線維が収縮したまま元に戻らなくなった、硬い「しこり」のことです。
このしこりは、押すと強い痛みを感じるだけでなく、驚くことに、その場所から離れた部位にまで痛みを引き起こします。
この現象を関連痛(放散痛)と呼びます。
例えば、肩甲骨の内側にあるトリガーポイントが、腕や指先にしびれや痛みを引き起こすことがあります。

なぜトリガーポイントはできるのか?

トリガーポイントは、筋肉への過剰な負担やストレスが原因で形成されます。
具体的には、以下のような要因が挙げられます。

  • 長時間の同じ姿勢
    デスクワークで前かがみになったり、スマートフォンを長時間使用したりする姿勢は、首や肩の筋肉に大きな負担をかけます。
  • 反復動作
    重いものを持ち上げる作業や、特定のスポーツの反復的な動きは、特定の筋肉に疲労を蓄積させます。
  • 物理的・精神的ストレス
    精神的な緊張や、寒さによる身体のこわばりも、筋肉を収縮させ、血行不良を引き起こします。
  • 怪我
    過去の打撲や捻挫、骨折なども、周囲の筋肉を硬くさせ、トリガーポイントの温床となることがあります。

筋肉が疲労し、血行が悪くなると、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなります。
その結果、筋肉の線維が正常に機能できなくなり、トリガーポイントが形成されます。
これは、慢性的な痛みの悪循環を生み出す根本原因となります。


トリガーポイントが引き起こす様々な症状

トリガーポイントは、単なる筋肉の痛みだけではありません。
以下のように、私たちの日常生活に深刻な影響を与える様々な症状を引き起こします。

  • 肩こり
    首の付け根から肩にかけての重だるさ、張り、可動域の制限。
  • 腰痛
    慢性的な腰の痛み、前かがみになったり立ち上がったりする時の不快感。
  • 頭痛
    特に、首や肩のトリガーポイントが原因で起こる緊張型頭痛は非常に一般的です。
  • 坐骨神経痛に似た症状
    お尻や太ももの裏側に走る痛みやしびれは、お尻の筋肉にあるトリガーポイントが原因である可能性があります。
  • 腕や手のしびれ
    首から肩にかけてのトリガーポイントが、腕や指先に放散痛として現れることがあります。

これらの症状は、原因不明とされがちな痛みやしびれの多くが、実はトリガーポイントに起因している可能性を示唆しています。


今すぐ始められるトリガーポイントのセルフケア

トリガーポイントは、日々のセルフケアで改善が期待できます。
特別な知識や道具がなくても、自宅で簡単に行える方法を試してみましょう。

1. 圧迫とストレッチの組み合わせ

トリガーポイントに直接アプローチする最も基本的な方法です。

  1. 探す
    指の腹や肘を使って、筋肉の中にある「イタ気持ちいい」と感じる硬いしこりを探します。
  2. 圧迫する
    見つけたトリガーポイントを、痛みを感じない程度の優しい力で30秒から1分間じっくりと押さえ続けます。
    呼吸を止めずに、筋肉の奥まで圧が届くように意識しましょう。
  3. 伸ばす
    圧迫後、その筋肉をゆっくりと伸ばすストレッチを行います。
    例えば、首の付け根を圧迫した後は、首をゆっくりと横に倒して伸ばします。

テニスボールやフォームローラーを活用する

手や指では届きにくい背中や腰のトリガーポイントには、テニスボールやフォームローラーが有効とされています。

  • テニスボール
    床や壁に体を預け、トリガーポイントにテニスボールを当てます。
    自分の体重を使って圧をかけ、ボールの上で身体をゆっくりと動かして、しこりをほぐします。
  • フォームローラー
    背中や脚の大きな筋肉に沿ってフォームローラーを転がすことで、広範囲のトリガーポイントを同時にリリースすることができます。

※セルフケアを行う際は、決して無理をせず、強い痛みを感じたらすぐにやめましょう。
また、骨や関節の上を直接圧迫することは避けてください。


専門家によるトリガーポイント治療

セルフケアだけでは改善が見られない場合や、痛みがひどい場合は、専門家による施術も選択肢の一つです。

  • 鍼灸
    トリガーポイントに鍼を打つことで、筋肉の血行を改善し、緊張を和らげます。
  • マッサージ
    専門家による手技で、筋肉の奥深くにできたトリガーポイントを丁寧にほぐします。
  • トリガーポイント注射
    痛みの原因となっているトリガーポイントに局所麻酔薬などを注射し、痛みの悪循環を断ち切る治療法です。

まとめ|あなたの痛みは、トリガーポイントが語りかけているサインかもしれない

慢性的な痛みは、あなたの身体が助けを求めているサインです。
トリガーポイントという存在を理解し、日々の生活に適切なセルフケアを取り入れることで、痛みから解放される道が開けます。

もし、原因不明の痛みや凝りに悩んでいるなら、その根本原因はトリガーポイントにあるかもしれません。
この記事をきっかけに、ご自身の体と向き合い、痛みのない快適な毎日を取り戻していきませんか。

この記事の監修者・執筆者
パーソナルトレーナー
和泉 大樹(イズミ ダイキ)

2012年から横浜市を中心に個人で訪問型の出張パーソナルトレーナーとして活動しています。トレーニングだけでなく、ストレッチに整体、食事や生活習慣のアドバイスもしています。

~保有資格~
・NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定 パーソナルフィットネストレーナー)
・JATI-ATI (日本トレーニング指導者協会認定 トレーニング指導者)
・スポーツプログラマー(日本スポーツ協会認定)
・ACCA公認 アスレティックコンディショニングコーチ アドバンス
・YMCメディカルトレーナーズスクール 整体療術科 卒業
・健康管理士上級指導員(日本成人病予防協会認定)
・ヘルスケアアドバイザー(日本チェーンドラッグストア協会認定)
etc.

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