それ、逆効果かも? 身体を痛める「間違いストレッチ」4つの誤解と正しいやり方

女性ヨガのポーズ ストレッチ

疲れ・コリの原因は「身体の硬さ」!ストレッチは正しく行わないと逆効果に

筋肉をほぐし、柔軟性を高めてくれるストレッチは、血行不良からくる肩こり、腰痛、頭痛といった不調の改善に役立ちます。
また、身体が柔らかくなることで、疲れにくい身体づくりにもつながります。

しかし、そのストレッチ、本当に正しくできていますか?

良かれと思って行っているそのやり方が、実は筋肉や関節を傷つけ、かえって身体の柔軟性を低下させているかもしれません。

本記事では、多くの人が誤解している「身体に悪いストレッチのやり方」を4つ解説し、安全かつ効果的に柔軟性を向上させるための正しい方法をご紹介します。


誤解1|伸びている筋肉を「意識」しながら行うのはNG

筋トレとストレッチは真逆!力を抜くことが柔軟性アップ

筋力トレーニングでは、使っている筋肉を意識することで効果が高まりますが、ストレッチではこれは逆効果になります。

【間違いの理由】

筋肉を「意識する」行為は、その筋肉に微細な力を入れ、「緊張」させてしまうことに繋がってしまうからです。
ストレッチの最大のポイントは、「いかに力を抜いてリラックスできるか」です。
筋肉に力が入ってしまうと、本来伸びるはずの筋肉が固まり、最大限の柔軟性を引き出せなくなります。

【正しいやり方】力を抜くため「反対側の筋肉」を意識する

ストレッチ中は、伸びている筋肉ではなく、伸ばす筋肉と反対側の筋肉(拮抗筋)を意識してみましょう。

  • 例: 背筋を伸ばすストレッチなら、反対側の「腹筋」を意識する

ただし、意識することに気を取られすぎてリラックスできなくなってしまうと意味がありません。
まずは全身の力を抜き、ゆったりとした深呼吸とともに、心地よい気分で行うことを最優先しましょう。


誤解2|「痛い」と感じるまで伸ばすのはNG

痛みの先には怪我のリスク!「痛気持ちいい」で止める理由

「伸ばせば伸ばすほど、身体が柔らかくなる」と思われがちですが、痛みが出るほど無理に伸ばしてしまうと、筋肉や腱、関節を過度に引っ張ってしまい、炎症や損傷といった怪我の原因になります。

【正しいやり方】「痛気持ちいい」のラインをキープする

ストレッチは、「痛気持ちいい」と感じる範囲でゆっくりと伸ばすことです。
この「痛気持ちいい」という感覚は、筋肉が安全に伸びているサインです。
そこからさらに無理をして伸ばそうとすると、身体が危険を察知して防御反応を起こし、かえって筋肉が硬くなってしまう(伸張反射)ため、柔軟性の向上を妨げてしまいます。


誤解3|昔ながらの「反動」をつけて伸ばすのはNG

勢いで伸ばすと筋肉が切れるリスクが高まる

昔は主流だった「反動をつけてグイグイ伸ばす」ストレッチは、現在では推奨されません。
反動を使うと、意図せず筋肉を急激に無理な角度まで伸ばしてしまうため、肉離れなどの怪我のリスクが大幅に高まります

【正しいやり方】ゆっくり時間をかけて静かに伸ばす(スタティックストレッチ)

柔軟性を高めるためのストレッチ(スタティックストレッチ)は、反動を使わず、筋肉をゆっくりと伸ばし、一定時間キープすることが基本です。
これにより、筋肉の緊張が解け、安全かつ効果的に柔軟性を高めることができます。

  • ※例外:運動前のストレッチ運動前のウォーミングアップでは、ダイナミックストレッチ(反動ではなく、関節可動域内で動きながら行うストレッチ)が最適です。
    これは体温や血流を上げ、関節の動きを良くすることが目的であり、静止して行う静的ストレッチとは目的が異なります。
    場合によってはあえて反動をつけるバリスティックストレッチを行う場合もあります。

誤解4|左右の硬さに関わらず「均等な時間」伸ばすのはNG

身体のバランスを整えるには「硬い方を重点的」に行う

ストレッチをする際、左右の筋肉を同じ時間、均等に伸ばしていませんか?

身体の使い方の癖により、左右の柔軟性には必ず差があります。
この左右差がある状態で均等に伸ばしてしまうと、硬い方は変化がなく、柔らかい方ばかり伸びてしまい、結果として左右差を拡大させてしまう可能性があります。

【正しいやり方】硬い側のストレッチ時間を長くする

ストレッチの目的は、柔軟性の絶対値を上げることだけでなく、「左右のバランスを良くすること」にもあります。

  1. 左右差をチェックする:前屈や開脚などで、どちらの足、どちらの肩が硬いかを確認します。
  2. 硬い方を重点的に:硬いと感じる側の筋肉を、柔らかい側よりも長めの時間(例:1.5倍〜2倍)かけてストレッチしましょう。

左右で伸ばす時間を変えることで、身体全体のバランスが整い、より疲れにくい状態へと近づけることができます。

お預かりしたリライト案の最後にふさわしい「まとめ」を作成します。このまとめでは、記事で解説した重要なポイントを簡潔に再確認させ、読者に行動を促すように構成します。


まとめ

本記事では、多くの人が陥りがちな「間違いストレッチ」の誤解と、安全かつ効果的に柔軟性を高めるための正しい方法を解説しました。

間違いのやり方正しいやり方効果
伸びている筋肉を意識する反対側の筋肉を意識し、力を抜く筋肉の緊張が解け、最大限に伸びる
痛みが出るまで伸ばす「痛気持ちいい」範囲で静かに止める筋肉や腱の損傷を防ぎ、安全に柔軟性を高める
反動をつけて伸ばすゆっくりと時間をかけて静止する肉離れなどの怪我のリスクを避ける
左右均等に伸ばす硬い方を重点的に(時間を長く)伸ばす身体の左右のバランスを効果的に整える

ストレッチは単なる準備運動ではなく、身体の硬さからくる不調(肩こり、腰痛など)を改善する「セルフケア」です。
無理な力や間違った方法で筋肉を痛めてしまうと、せっかくの努力が逆効果になってしまいます。
正しいやり方を意識してストレッチを「身体を整える時間」に変えていきましょう。

この記事の監修者・執筆者
パーソナルトレーナー
和泉 大樹(イズミ ダイキ)

2012年から横浜市を中心に個人で訪問型の出張パーソナルトレーナーとして活動しています。トレーニングだけでなく、ストレッチに整体、食事や生活習慣のアドバイスもしています。

~保有資格~
・NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定 パーソナルフィットネストレーナー)
・JATI-ATI (日本トレーニング指導者協会認定 トレーニング指導者)
・スポーツプログラマー(日本スポーツ協会認定)
・ACCA公認 アスレティックコンディショニングコーチ アドバンス
・YMCメディカルトレーナーズスクール 整体療術科 卒業
・健康管理士上級指導員(日本成人病予防協会認定)
・ヘルスケアアドバイザー(日本チェーンドラッグストア協会認定)
etc.

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