日本全国で猛烈な暑さが続いています。
特にスポーツをする方にとって、熱中症は命に関わる危険な症状です。
今年の夏も、予防と適切な対策で安全に過ごしましょう。
熱中症はなぜ危険?症状とメカニズム
熱中症は、高温多湿な環境下で体の体温調節機能が破綻し、様々な症状を引き起こす状態の総称です。
特にスポーツ中は大量の汗をかくため、脱水が進みやすく、熱中症のリスクが高まります。
熱中症の種類と進行
熱中症は症状の重さによって「熱失神」「熱疲労」「熱痙攣」「熱射病」に分類されます。
- 初期症状: 脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気
- 重症化: 意識障害、けいれん、高体温
最悪の場合、死に至ることもあります。
これらの症状が現れた場合は、速やかに適切な応急処置を行う必要がありますが、何よりも予防が最も重要です。
今すぐできる!熱中症予防8カ条
スポーツ中の熱中症は、適切な予防策によって防ぐことができます。
以下の8カ条を実践し、安全なスポーツ環境を確保しましょう。
- 知って防ごう熱中症
熱中症の症状や危険性を正しく理解しましょう。 - あわてるな、されど急ごう救急処置
症状が見られたら、冷静かつ迅速な対応が命を救います。 - 暑い時、無理な運動は事故のもと
猛暑日は無理せず、運動量を調整しましょう。 - 急な暑さは要注意
体が暑さに慣れていない梅雨明けなどは特に警戒が必要です。 - 失った水と塩分を取り戻そう
汗で失われる水分だけでなく、塩分補給も重要です。 - 体重で知ろう、健康と汗の量
運動前後の体重測定で、脱水量を把握しましょう。 - 薄着ルックでさわやかに
風通しの良い服装で体温上昇を防ぎましょう。 - 体調不良は事故のもと
体調が悪いと感じたら、運動は中止しましょう。
環境要因にも注意!
気温が高くなくても、湿度が高いときや風がないときも熱中症のリスクが高まります。
これらの環境要因も考慮し、運動の可否を判断することが大切です。
熱中症と密接な関係!脱水症の理解と対策

熱中症の主な原因の一つが脱水症です。
大量の汗をかくことで体内の水分が失われ、脱水状態に陥ります。
脱水症には大きく分けて2つのタイプがあり、それぞれ対処法が異なります。
1. 高張性脱水(水分不足脱水)
体内の水分濃度が濃くなった状態です。
- 原因: 水分摂取不足
- 症状: 強い口渇、体温上昇、粘膜の乾燥、体重減少など
- 対応: 水分を少量ずつ経口摂取する。(生理食塩水の投与は禁忌です)
2. 低張性脱水(塩分不足脱水)
体内の水分濃度が薄くなった状態です。
- 原因: 嘔吐、下痢、出血、あるいは大量の発汗後に水だけを摂取した場合など
- 症状: 口渇はあまりない、倦怠感、皮膚の弾力性低下、立ちくらみなど
- 対応: 電解質(塩分など)を含む水分を摂取する。(水だけの投与は禁忌です)
効果的な水分補給のポイント
この時期、安静にしていても1日に約2.5リットル以上の水分が体外へ排出されます。
運動中は1~2時間で3~5リットルもの水分が失われることもあります。
喉が渇く前に補給を!
「喉が渇いた」と感じた時には、すでに脱水が始まっています。
最低でも20分に1回を目安に、こまめに水分補給を行いましょう。
スポーツドリンクの種類と選び方
市販のスポーツドリンクには、大きく分けて「アイソトニックドリンク」と「ハイポトニックドリンク」があります。
シーンに合わせて使い分けることで、より効果的な水分補給が可能です。
- アイソトニックドリンク
- 特徴: 浸透圧が体液と同じで、水よりも吸収が早い。
- 適したシーン: 運動前など、脱水状態ではない時に適しています。
- 主な製品: ポカリスエット、アクエリアスなど
- ハイポトニックドリンク
- 特徴: 浸透圧が体液よりも低く、運動中や運動後の大量発汗時でも効率良く吸収される。アイソトニックドリンクを水で薄めることで簡単に作れます。
- 適したシーン: 運動中や運動後など、大量に汗をかいて水分を失った状態。
この夏、熱中症の知識を深め、適切な対策を講じることで、安全で健康的なスポーツライフを送りましょう。