ミネラルとは?必須ミネラルの種類から効果、効率的な摂取方法まで解説

考える女性 健康全般

健康志向が高まる現代において、「ミネラル」という言葉を耳にする機会は増えています。
サプリメントやミネラルウォーター、健康食品など、様々な場所でその重要性が謳われています。
しかし、「ミネラル」が具体的に何であり、私たちの体内でどのような役割を果たしているのか、詳しく理解している人は少ないかもしれません。
この記事では、ミネラルの基本的な定義から、必須ミネラルの種類、それぞれのユニークな働き、そして日々の食生活でミネラルを効率よく摂取するための方法まで解説します。
この記事を読み終える頃には、ミネラルの重要性を再認識し、より健康的でバランスの取れた食生活を送るためのヒントを得られると思います。


ミネラルとは何か?その基本的な役割を理解しよう

ミネラルとは、私たちの体内で生成することができない、ごく少量で体の機能を維持・調節するために不可欠な無機物です。
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミンと並び、五大栄養素の一つに数えられます。
ミネラルは、身体の構成成分になったり、酵素の働きを助けたりすることで、健康な体を保つ上で重要な役割を果たしています。

ミネラルの主な役割

  • 身体の構成成分
    骨や歯を形成するカルシウムや、血液の成分であるなど、重要な構成要素となります。
  • 生理機能の調節
    神経や筋肉の機能を調節するカリウムナトリウム、体内の水分バランスを保つ働きなど、生命活動に不可欠な役割を担います。
  • 酵素の活性化
    多くの酵素が正常に機能するために、亜鉛マグネシウムなどのミネラルが補酵素として関わります。

ミネラルは、特定のミネラルが不足すると欠乏症を、過剰に摂取すると過剰症を引き起こすことがあります。
そのため、バランス良く摂取することが非常に重要です。


必須ミネラルの種類|主要ミネラルと微量ミネラル

ミネラルは、体内に必要な量によって「主要ミネラル」と「微量ミネラル」の2つに大きく分類されます。
それぞれの種類と働きを知ることで、より効果的な摂取方法が見えてきます。

1. 主要ミネラル(マクロミネラル)

1日の摂取量が100mg以上とされるミネラルで、体内に比較的多く存在します。

  • カルシウム
    骨や歯の主要な構成成分であり、骨粗しょう症の予防に不可欠です。
    また、神経伝達や筋肉の収縮にも関与します。
    牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚、豆腐、小松菜などに多く含まれています。
  • リン
    カルシウムとともに骨や歯を形成し、エネルギー代謝にも重要な役割を果たします。
    肉類、魚介類、乳製品、穀物など、多くの食品に含まれます。
  • カリウム
    体内の水分バランスや浸透圧を調節し、ナトリウムの排出を促すことで高血圧予防に役立ちます。
    芋類、果物(バナナ、メロン)、野菜(ほうれん草、アボカド)などに多く含まれています。
  • マグネシウム
    300種類以上の酵素の働きを助ける重要なミネラルです。
    骨の形成や神経機能の調節、筋肉の収縮にも関わります。
    海藻類、大豆製品、ナッツ類、緑黄色野菜などに多く含まれています。

2. 微量ミネラル(ミクロミネラル)

1日の摂取量が100mg未満とされるミネラルで、少量でも重要な働きをします。


  • 赤血球のヘモグロビンを構成し、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担います。
    不足すると鉄欠乏性貧血の原因となります。
    レバー、赤身肉、カツオ、マグロ、ほうれん草などに多く含まれています。
  • 亜鉛
    多くの酵素の働きを助け、細胞の成長や免疫機能の維持、味覚の正常化に不可欠です。
    牡蠣、牛肉、豚レバー、うなぎなどに多く含まれています。

  • 鉄の吸収を助け、ヘモグロビンの合成に不可欠です。
    また、骨の形成や免疫機能にも関与します。
    レバー、魚介類、ナッツ類、ココアなどに多く含まれています。
  • ヨウ素
    甲状腺ホルモンの構成成分で、新陳代謝を促進する重要な役割を担います。
    昆布、わかめ、海苔などの海藻類、魚介類などに多く含まれています。
  • セレン
    強い抗酸化作用を持ち、身体の老化を防ぐ働きがあります。
    免疫機能の維持にも重要です。
    魚介類、肉類、卵、穀物などに多く含まれています。
  • マンガン
    骨の形成やエネルギー代謝、抗酸化作用などに関与します。
    穀類、ナッツ類、豆類、緑茶などに多く含まれています。
  • クロム
    糖質の代謝を助け、インスリンの働きをサポートします。
    魚介類、肉類、穀類などに多く含まれています。
  • モリブデン
    糖質や脂質の代謝、尿酸の生成に関わる酵素の働きを助けます。
    穀類、豆類、種実類などに多く含まれています。

ミネラルを効率よく摂取するためのポイント

ミネラルは、単に多く摂れば良いというわけではありません。
他の栄養素との組み合わせや、調理方法を工夫することで、その吸収率を高めることができます。

1. バランスの良い食事を心がける

特定の食品に偏らず、様々な種類の食品をバランス良く組み合わせることが最も重要です。
例えば、はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が向上します(レモン汁をかけたカツオのたたきなど)。
また、カルシウムはビタミンDと一緒に摂ると吸収が良くなります(鮭とチーズのソテーなど)。

2. 調理方法を工夫する

ミネラルは調理によって失われにくいですが、水に溶けやすい性質を持つものもあります。
例えば、カリウムは煮たり茹でたりすると水に溶け出すため、汁物も一緒に摂取できるスープや鍋料理がおすすめです。

3. 組み合わせの注意点

特定のミネラルは、同時に摂取すると吸収を阻害し合う場合があります。

  • 鉄とタンニン
    緑茶や紅茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げることがあります。
  • 亜鉛とカルシウム
    大量に摂取するとお互いの吸収を阻害することがあります。

4. サプリメントの活用

日々の食事だけで全てのミネラルを補給するのは難しい場合もあります。
そのような時は、サプリメントを上手に活用するのも一つの手です。
ただし、サプリメントはあくまで食事の補助であることを忘れずに、過剰摂取には注意しましょう。


ミネラルと健康|欠乏症と過剰症

ミネラルは少なすぎても多すぎても、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

ミネラル欠乏症


  • 鉄欠乏性貧血(疲労感、めまいなど)
  • 亜鉛
    味覚障害、皮膚炎、免疫機能の低下
  • カルシウム
    骨粗しょう症、イライラ

ミネラル過剰症

  • ナトリウム
    高血圧、むくみ

  • 肝機能障害、糖尿病などのリスク増大
  • セレン
    脱毛、爪の変形、神経障害

まとめ|ミネラルを理解して、賢く健康を手に入れよう

ミネラルは、私たちの身体を構成し、様々な生理機能を調節するために不可欠な無機物です。
主要ミネラルと微量ミネラルの両方をバランス良く摂取することが、健康な身体を維持するための鍵となります。
日々の食事に多様な食品を取り入れ、賢くミネラルを補給することで、より健康的で充実した毎日を送ることができるかと思います。

この記事を参考に、自身の食生活を見直し、ミネラルを意識した新しいライフスタイルを始めてみてはいかがでしょうか?


よくある質問(FAQ)

Q1. ミネラルウォーターを飲めばミネラルは十分ですか?
A1. ミネラルウォーターに含まれるミネラルの量はわずかで、日常のミネラル摂取量をまかなうには不十分です。
あくまで水分補給を目的とし、ミネラルは食事から摂取することを基本としましょう。

Q2. サプリメントはどのミネラルを摂れば良いですか?
A2. 食生活や体調によって不足しがちなミネラルは異なります。
例えば、女性は鉄分、高齢者はカルシウムが不足しやすい傾向があります。
ご自身の食生活を見直し、不足していると思われるミネラルを補う形でサプリメントを検討しましょう。

Q3. ミネラルとビタミンの違いは何ですか?
A3. ビタミンは体内で作られない「有機化合物」で、代謝のサポートなどが主な役割です。
一方、ミネラルは「無機物」で、身体の構成成分になったり、生理機能の調節をしたりします。
どちらも微量で重要な働きをする点では共通していますが、化学的な性質が異なります。

この記事の監修者・執筆者
パーソナルトレーナー
和泉 大樹(イズミ ダイキ)

2012年から横浜市を中心に個人で訪問型の出張パーソナルトレーナーとして活動しています。トレーニングだけでなく、ストレッチに整体、食事や生活習慣のアドバイスもしています。

~保有資格~
・NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定 パーソナルフィットネストレーナー)
・JATI-ATI (日本トレーニング指導者協会認定 トレーニング指導者)
・スポーツプログラマー(日本スポーツ協会認定)
・ACCA公認 アスレティックコンディショニングコーチ アドバンス
・YMCメディカルトレーナーズスクール 整体療術科 卒業
・健康管理士上級指導員(日本成人病予防協会認定)
・ヘルスケアアドバイザー(日本チェーンドラッグストア協会認定)
・3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)
・資産形成コンサルタント(日本証券アナリスト協会認定)

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