「ダイエット中は糖質を減らすべき」という話はよく聞きますが、具体的にどうすればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
極端な糖質制限は身体に負担をかけるだけでなく、リバウンドのリスクも高まります。
健康的にダイエットを成功させるには、糖質の種類や量を正しく理解し、賢く付き合うことが何よりも大切です。
闇雲に「抜く」のではなく、自分の体に合った適正な量を知り、無理なく継続できる方法を見つけましょう。
炭水化物と糖質の違いとは?
多くの人が「炭水化物=糖質」と思いがちですが、厳密に言うとこの二つは異なります。
- 炭水化物
糖質と食物繊維の総称 - 糖質
私たちの身体を動かす主要なエネルギー源 - 食物繊維
消化されにくく、便通改善や血糖値の急激な上昇を抑える働きがある
一般的に炭水化物と糖質は、同じ意味で使われているかと思うので同じ認識で良いかと思いますが、炭水化物という大きなカテゴリーの中に、エネルギー源となる糖質と健康維持に役立つ食物繊維が含まれています。
健康やダイエットを考える上では、この違いを理解しておくと食事選びがより賢くできるようになります。
例えば、同じ「炭水化物」でも、食物繊維が豊富な野菜やきのこ類と、糖質が多いお菓子では、身体への影響が全く違います。
糖質の種類を知ってダイエットを加速させよう
糖質は消化・吸収にかかる時間によって、大きく3つのグループに分けられます。
この違いを理解することが、ダイエット成功への近道となります。
- 単糖類・二糖類
消化・吸収が早く、すぐにエネルギーに変わる糖質です。- 例:ブドウ糖、果糖、砂糖など
- 主に甘いお菓子や清涼飲料水、一部の果物などに多く含まれます。
- 多糖類
単糖類がいくつも結合したもので、消化・吸収がゆっくりで、エネルギーとして長く使われます。- 例:でんぷん、グリコーゲン
- お米、パン、麺類、イモ類、豆類などに多く含まれます。
ダイエット中に特に気をつけたいのは、吸収の早い 単糖類・二糖類 です。
これらを摂りすぎると、血糖値が急激に上昇し、インスリンというホルモンが大量に分泌されます。
インスリンは、余った糖を脂肪として蓄える働きがあるため、これが太りやすい体質を招く大きな原因となるのです。
砂糖は1日10g未満!賢く糖質と付き合うためのポイント
「甘いもの=太る」と言われるのは、砂糖に吸収の早い単糖類・二糖類が多量に含まれているからです。
特に、砂糖に含まれる果糖は、肝臓で代謝される際に中性脂肪に変わりやすいという特徴があります。
世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、1日の砂糖の摂取量を 10g未満 に抑えることを強く推奨しています。
これは角砂糖約2個分に相当し、意識していないと簡単に超えてしまう量です。
市販の清涼飲料水や菓子パン、お菓子には、この基準をはるかに上回る量の砂糖が含まれていることがほとんどです。
まずは、これらの「隠れ糖質」を避けることから始めてみましょう。
一方で、お米やパンなどに含まれる多糖類は、砂糖ほど神経質になる必要はありません。
これらは私たちの主要なエネルギー源であり、適量を摂取すれば、日中の活動を支えてくれます。
もちろん、過剰な摂取は肥満につながりますが、極端に「抜く」ことは体の不調を招くことになりかねません。
糖質は減らしすぎない!バランスの取れた食事が成功の鍵
闇雲に糖質を減らすのは、かえって逆効果になることがあります。
私たちの脳や身体は糖質を主なエネルギー源としているため、不足すると集中力の低下、疲労感、イライラなどを引き起こすことがあります。
栄養バランスを考えた上で、摂取カロリーの5~6割を糖質から摂るのが理想的とされています。
これは、ダイエット中であっても、全く糖質を摂らない必要はないことを意味します。
ダイエットは、短期間で劇的な結果を出すことよりも、長く続けられることが何よりも大切です。
極端な食事制限ではなく、甘いものやジュースを控える、食事のバランスを見直すなど、できることから少しずつ始めていきましょう。
無理のない範囲で、健康的に体重をコントロールすることが、本当の意味でのダイエット成功と言えます。
もし、ご自身の食事内容について具体的なアドバイスがほしい、もっと詳しく知りたい、といったことがあれば、是非お気軽にご相談頂けたらと思います。