「もしかして便秘かも?」と悩んでいる女性や高齢者の方は多いのではないでしょうか。
特に、女性は男性に比べて便秘になりやすいと言われています。
便秘は一時的なものだと軽視されがちですが、見体のだるさや肌荒れの原因になるだけでなく、慢性化すると生活の質(QOL)を大きく下げてしまいます。
この記事では、女性や高齢者に便秘が多い理由を解説するとともに、今日から実践できる便秘解消のための運動と食事(腸活)の具体的な方法をご紹介していきたいと思います。
快適な毎日を取り戻すために、ぜひ参考にしてください。
便秘になりやすいのはなぜ?女性と高齢者の原因を解説
筋力の低下|排便に必要な「押し出す力」が弱い
排便には、お腹の圧力を高めて便を押し出す腹筋や横隔膜などの筋肉が必要です。
- 女
一般的に男性よりも筋力が弱いため、便を押し出す力が不足しがちです。 - 高齢者
加齢とともに筋力は自然と低下するため、若い頃に比べて排便に必要な筋力が衰え、便秘になりやすくなります。
「押し出す力」が不足すると、便が腸内に留まりがちになり、水分が過剰に吸収されて硬い便となり、さらに排便しにくくなるという悪循環に陥ります。
女性ホルモンの影響|プロゲステロンの働き
女性の場合、女性ホルモンの変動も便秘の大きな原因となります。
特に、排卵後から生理前に多く分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)には、以下のような働きがあります。
- 腸のぜん動運動を抑制する
子宮の収縮を抑える作用があるため、その影響で腸のぜん動運動(便を送り出す動き)も抑えられてしまいます。 - 体内に水分を溜め込む
この作用により便の水分が少なくなり、便が硬くなり便通が悪化しやすくなります。
このホルモンの影響があるため、女性は男性よりも便秘に悩まされやすいと言えます。
便秘を解消・予防する「運動」と「食事」の基本
便秘の解消・予防には、「排便力を高める適度な運動」と「腸内環境を整える規則正しい食事」が基本となります。
1. 便秘解消につながる「適度な運動」
運動は、全身の血行を良くし、腸の動きを活発にする効果があります。特に以下の2点を意識しましょう。
① 全身を使う有酸素運動
ウォーキングやジョギング、軽い体操などの有酸素運動は、全身の筋肉を使うため、間接的に腸を刺激しぜん動運動を促します。
特にウォーキングは手軽に始められるのでおすすめです。
② 腹筋を意識した運動
排便に必要な腹筋を鍛えることも大切です。
腹筋運動以外にも、背筋を伸ばし、腹式呼吸を意識するだけでも腹筋を使います。
2. 腸内環境を整える「食事・腸活」のコツ
食事は、排便リズムと便の質を改善するために最も重要です。
① 規則正しい「三食」の摂取
食事を抜くのは厳禁です。
特に朝食は、胃に食べ物が入ることで大腸を刺激し、便意を催しやすくする大切なスイッチとなります。
毎日同じ時間に三食をしっかり摂り、規則正しい排便リズムを作りましょう。
② 積極的に摂りたい「食物繊維」
食物繊維は、便の量を増やし、便を柔らかくする働きがあるため、便秘解消に不可欠です。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、これらをバランスよく摂ることが重要です。
食物繊維の種類 | 働き | 多く含まれる食品の例 |
水溶性食物繊維 | 便を柔らかくし、善玉菌のエサになる | 海藻類(わかめ、昆布)、里芋、納豆、果物など |
不溶性食物繊維 | 便のカサを増やし、腸を刺激する | さつまいも、ごぼう、きのこ類、豆類など |
③ 腸内フローラを改善する「発酵食品」
便秘は腸内環境(腸内フローラ)の乱れも関係しています。
善玉菌を増やす発酵食品や、善玉菌のエサになるオリゴ糖を積極的に摂りましょう。
- 発酵食品:ヨーグルト、納豆、味噌、漬物など
- オリゴ糖:玉ねぎ、バナナ、はちみつなど
また、肉などの動物性タンパク質や脂質の摂り過ぎは、腸内の悪玉菌を増やす原因になるため、意識して控えめにしましょう。
便秘解消は「継続」が力なり!
便秘の解消・予防は、すぐに効果が出るものではありません。
適度な運動や腸活を意識した食事は、長く継続することが何よりも大切です。
焦らずに、ご自身のペースで日々の生活に取り入れ、快適な排便習慣と健康的な身体を手に入れまていきましょう。
もし、生活習慣を見直しても改善しない場合や、腹痛などの症状がひどい場合は、自己判断せずに医療機関に相談することをおすすめします。