「やるべき」とわかっていても重い腰が上がらないあなたへ
「運動を始めたほうがいい」と頭ではわかっているのに、いざ行動に移そうとすると、なかなかやる気が出ない…という方は非常に多いのではないでしょうか。
仕事や学業と同じく、運動を継続するためには「モチベーション(やる気)」が不可欠ですが、、このやる気は、気合いや根性といった精神論だけで生まれるものでもありません。
運動を習慣化し、継続的なやる気を引き出すには、心理学に基づいた正しい「目的」と「目標」の設定方法が重要となります。
この記事では、運動を挫折せず、成果を出し続けるための具体的なステップを解説していきたいと思います。
ステップ1|継続のエネルギー源となる「目的」を明確にする
「何のために運動するのか?」最終ゴールを掘り下げる
運動への一歩を踏み出すためには、まず「なぜ自分は運動をしようと思ったのか」という目的(最終ゴール)を明確にすることが重要です。
目的が曖昧だと、途中で困難に直面した際に「やっぱりいいか」とすぐに諦めてしまいがちになってしまうからです。
運動を始めたくなった理由を深掘りし、最終的に「運動を通してどうなりたいのか」を具体的に言語化してみましょう。
【目的の具体例】
曖昧な目的 | 明確な目的(最終ゴール) | 期待できるモチベーション効果 |
健康になりたい | 3年後にフルマラソンを完走できる体力と自信を手に入れる | 長期的な視点と達成感 |
やせたい | 3ヶ月後の同窓会までに学生時代のズボンが履ける体型になる | 期限設定による行動の促進 |
ストレス解消 | 運動後に感じる「爽快感」を日常のストレス緩和ルーティンにする | 感情的な報酬の強化 |
この目的は、困難な状況でも踏ん張れる「エンジン」となり、継続するための強力なエネルギー源になるかと思います。
ステップ2|やる気を維持する「目標」を具体的かつ段階的に設定する
目的と目標の違いを理解し、成功体験を積み重ねる
目的が「最終的に目指す場所」であるのに対し、目標は「目的を達成するための具体的な中間ステップ」です。
大きな目的を達成するには、この目標を「小さな成功体験」として積み重ねていくことが、心理的なやる気維持に非常に効果的です。
目標設定においては、以下のポイントを意識してみましょう。
1. 目標を「具体的」にする(SMARTの法則を意識)
目標は、「頑張る」といった抽象的なものではなく、「いつまでに」「何を」「どれくらい」行うのかを明確にします。
悪い目標(抽象的) | 良い目標(具体的・達成可能) |
頑張ってダイエットをする | 3ヶ月間で体重を3kg減らす(測定可能) |
毎日運動する | 毎週月・水・金の夜に、自宅で20分間の筋トレを行う(時間と場所の明記) |
2. 目標を「目的のステップ」として段階的に設定する
例えば、「10kg減量」が目的の場合、目標は以下のように分解できます。
- 目的(最終ゴール): 10kg減量する
- 目標1(最初の3ヶ月): まず5kg減量を目指す
- 目標2(行動目標): 目標1達成のため、夜の食事を控え目にする
- 目標3(習慣目標): 週に3回以上、会社帰りに一駅分ウォーキングする
このように段階的な目標を設定することで、目先の目標達成に集中でき、達成するたびにドーパミンが分泌され、次の行動へのやる気が高まります。
ステップ3|「現状維持」も強力な目的に変える心理術
ネガティブなイメージをポジティブな動機に変える
「たくさん食べても太りたくない」「今の体型を維持したい」といった、一見するとネガティブに聞こえる「現状維持」も、立派な運動の動機、すなわち目的になります。
現状維持というと、楽をしているようなイメージを持つかもしれませんが、決してそうではありません。
人間の身体は、何もしなければ筋力や代謝が衰えていきます。
なので、現状維持は「運動をすることで初めて達成できる積極的な行動の結果」になります。
「運動をするからこそ、今のベストな状態を維持できている」と意識することで、運動は義務感ではなく、自分の大切な状態を守るための「投資」となり、継続する動機として十分機能してくれます。
まとめ|やる気に頼らず、仕組みで運動を習慣化する
運動のやる気が出ないと感じた時は、目的と目標の「仕組み」を見直すことが解決の糸口です。
- 目的を明確化: 運動の「最終ゴール」を具体的に言語化する。
- 目標を細分化: 目的達成に向けた「具体的かつ達成可能な小さな行動ステップ」を設定する。
目的や目標が曖昧だと、行動がブレたり、小さな壁で立ち止まったりしてしまいがちになってしまいます。
「なぜ運動をするのか」を紙に書き出し、達成したら自分を褒める習慣をつけて、運動を人生の質の高める最高の習慣にしていきましょう。