現代は「飽食の時代」と言われますが、実は「隠れ栄養失調」に悩む人が増えています。
昔の栄養失調と違い、一見すると健康そうに見えるのが特徴です。
- 「しっかり食事をしているのに疲れが取れない」
- 「何となく体調が優れない日が続く」
心当たりのある方は、もしかすると隠れ栄養失調かもしれません。
では、なぜ栄養を摂っているつもりなのに、栄養不足になってしまうのでしょうか?
その大きな原因の一つが、野菜の栄養価の低下です。
昔と比べて栄養価が激減!野菜不足が加速する理由
ビタミン、ミネラル、食物繊維といった重要な栄養素を多く含むはずの野菜ですが、実はその栄養価は昔と比べて悪くなっています。
例えば、ほうれん草に含まれるビタミンCは50年前と比べて約3分の1、鉄分は6分の1にまで減っているというデータもあります。
この背景には、大量生産による土壌の養分(ミネラルなど)の減少が影響していると考えられています。
さらに、現代人の野菜を食べる量自体が少なくなっていることも相まって、必要な栄養素が圧倒的に不足しがちな状態に陥っています。
知らないと損!野菜の栄養を逃さない「食べ方・調理法」
栄養価が低下している上に、食べ方や調理方法、保存方法によっては、せっかくの栄養の9割以上を失ってしまうこともあります。
そこで、野菜から効率よく栄養を摂取するための具体的な方法をご紹介します。
1. 大根は「皮ごと生」で!栄養を活かす食べ方のコツ
大根には、消化を助けるジアスターゼや脂質を分解するリパーゼといった酵素が含まれています。
これらの酵素や水溶性ビタミンであるビタミンCは、熱に弱く水に溶け出しやすい性質があります。
大根の栄養を効率よく摂るには、以下のポイントを実践しましょう。
- 【生のまま】
酵素やビタミンCを失わないために、大根おろしやサラダなど、加熱せず生で食べるのがおすすめです。 - 【皮ごと】
ビタミンCは皮の近くに多く含まれるため、よく洗って皮ごと食べましょう。 - 【葉も活用】
根よりも栄養価が高い**葉(葉の部分は緑黄色野菜!)は、捨てずに活用しましょう。
特に、脂溶性のビタミンA(β-カロテン)を多く含むため、油と一緒に炒め物にするのがおすすめです。
2. 白菜は「中心から」食べるのがベスト
白菜を丸ごと購入した場合、どの部分から食べていますか?
白菜の栄養を最後まで無駄なく美味しく摂る秘訣は、「中心部から食べること」です。
これは、白菜が収穫後も生長しようと外側の葉から中心の生長点へ養分を取り込んでいるためです。
外側から食べてしまうと、栄養価の高い中心部が腐りやすくなるだけでなく、うまみ成分であるグルタミン酸も中心に集まっているため、美味しく食べきるためにも中心部から使いましょう。
また、白菜は加熱するとかさが減り、食物繊維をたくさん摂れますが、ビタミンCなどの水溶性栄養素が流れ出てしまいます。
これらを逃さないためには、スープや鍋物など「汁ごといただく調理法」が最適です。
さらに、白菜を塩もみすると、酵素の働きでコクやうまみのもとであるアラニンや、リラックス効果が期待できるGABAが増加することもわかっています。
まとめ|効率的な食べ方で「隠れ栄養失調」を防ぐ
現代の「隠れ栄養失調」の背景には、野菜の栄養価の低下と摂取方法の誤りがあります。
栄養を逃さないための重要ポイント
- 野菜の栄養価低下を認識する
昔と同じ量を食べていても、栄養素は不足しがちです。 - 大根は「皮ごと生」で食べる
熱に弱い酵素やビタミンCを最大限に摂取するため。 - 大根の葉は「油と炒める」
脂溶性のビタミンAの吸収率を高めるため。 - 白菜は「中心部から」使う
栄養とうまみが詰まった部分を最後まで活かすため。 - 水溶性栄養素は「汁ごと摂取」
スープや鍋にして流れ出たビタミンやミネラルも摂る。
これらの工夫を取り入れて、毎日の食事から最大限の栄養を摂取し、現代の「隠れ栄養失調」対策に役立てていきましょう。