「8時間ダイエットは本当に痩せるの?」 一時期ブームになったこのダイエット法について、最新の研究報告を交え、その効果と正しいやり方を解説します。
8時間ダイエット(時間制限ダイエット)とは?
8時間ダイエットとは、1日のうち8時間の間に食事を済ませ、残りの16時間は水やお茶などのカロリーのない飲み物だけで過ごすという食事法です。
別名「16時間断食」や「半日ファスティング」とも呼ばれます。
【具体的なイメージ】
- 朝食を8時に食べたら、夕食を16時までに終わらせる。
- 昼食を12時に食べたら、夕食を20時までに終わらせる。
このダイエットの最大の特徴は、他のダイエットと比べて食事内容の制限がないことです。
時間を守ることが最優先であり、基本的には好きなものを食べられるため、「続けやすい」というメリットがあると言われています。
本当に効果がない? 最新の研究報告をチェック
「8時間ダイエットは効果がない」という説の背景には、最近の研究報告があります。
カリフォルニア大学の研究結果
米国のカリフォルニア大学で行われた研究では、以下の結果が報告されています。
グループ | 食事方法 | 減量結果(平均) |
時間制限群 | 1日8時間以内に食事(12時~20時) | −0.94kg |
対照群 | 1日3回の通常の食事 | −0.68kg |
この研究では、過体重から重度肥満の男女116名を対象に12週間実施されましたが、「8時間ダイエット(時間制限群)」と「通常の3食ダイエット(対照群)」の間で、統計的に有意な減量の差は見られなかったと結論付けられています。
つまり、時間制限ダイエットは、通常のダイエットに比べて「より効果的」とは言えない、というのが最新の研究による見解です。
【重要なポイント】
結局のところ、体重が増えるか減るかはカロリー収支(消費カロリーと摂取カロリーの差)によって決まります。
8時間ダイエットも、食事の時間を短くすることで、結果的に食べる量が減りカロリーオーバーを防げるという点にメリットがあると考えられますが、時間帯に関わらず食べ過ぎてしまえば効果は期待できません。
8時間ダイエットのメリットとデメリット
研究結果を踏まえても、8時間ダイエットには一般的なダイエットとしていくつかのメリット・デメリットが挙げられます。
メリット
- 食事制限がゆるい
他のダイエットと違い、極端なカロリー計算や糖質制限などが不要なため、精神的な負担が少なく継続しやすい。 - 内臓を休ませる時間を作れる
16時間の絶食時間により、消化器系を休ませることができ、疲労軽減や体調改善につながる可能性がある。 - 食べ過ぎを防ぎやすい
食事時間が限定されるため、間食や夜食の習慣を断ちやすく、結果的に総摂取カロリーを抑えやすい。
デメリット
- 期待される特殊な効果は薄い
- 成長ホルモン
空腹時に分泌されますが、筋肉量の増加や劇的なアンチエイジング効果は現時点では確認されていません。 - サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)
活性化が期待されるものの、若返り効果があるとは断言できません。
- 成長ホルモン
- 筋肉が分解されるリスク
空腹時間が長くなると、身体はエネルギーとして筋肉のタンパク質を分解しやすくなります。
筋肉量の維持・増加は望めず、基礎代謝が落ちる原因になりかねません。 - 体調不良のリスク
慣れないうちは空腹による集中力の低下や低血糖のリスクがあるほか、ドカ食いにつながりやすい側面もあります。
【失敗しない】8時間ダイエットを成功させるための正しいやり方
「普通のダイエットと変わらない」という研究結果が出たとしても、食事時間の制限をきっかけに生活習慣を見直すことはダイエットにおいて非常に有効です。
8時間ダイエットを実践する際に、より効果を高めるためのポイントは以下の通りです。
- 【最重要】8時間内でもカロリーオーバーに注意
- 何を食べても良いとはいえ、高カロリーな食事ばかりをドカ食いすれば当然やせません。
- 揚げ物、高糖質な加工食品などを控え、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 筋肉量の維持に努める
- タンパク質を積極的に摂り、筋力トレーニングを並行して行いましょう。
筋肉の分解を防ぎ、代謝の維持・向上を目指します。
- タンパク質を積極的に摂り、筋力トレーニングを並行して行いましょう。
- 水分補給を徹底する
- 16時間の断食中も、水やノンカロリーのお茶を積極的に飲みましょう。
空腹感を和らげ、代謝のサポートにもつながります。
- 16時間の断食中も、水やノンカロリーのお茶を積極的に飲みましょう。
8時間ダイエットは、魔法のようなダイエット法ではありません。
ですが、自分の生活リズムに食事時間を合わせやすい人にとっては、無理なくカロリーを抑えるきっかけとして有効に機能すると思います。
最終的には、食べる時間ではなく「何を、どれだけ食べるか」が重要となります。