ストレッチの主な効果は、筋肉が伸びやすくなり関節が大きく動くようになります。(関節可動域の向上)
筋肉の縦方向への伸びやすさのことを筋肉の縦断的な柔軟性と言います。
また、疲労によって固くこわばった筋肉を柔らかくほぐす効果もあります。
筋肉を触った時の柔らかさのことを筋肉の横断的な柔軟性と言います。
他にも精神的なリラックス効果もありストレッチは身体にとても良いことですが
ストレッチをやり過ぎてしまうと筋力が低下するといったマイナスの要素もあります。
関節可動域の向上
ストレッチの一番の効果は、柔軟性の向上です。
多くの方にとってストレッチの目的は柔軟性を高めることではないでしょうか。
一般的に柔軟性とは関節の可動域の大きさ、つまり「関節がどれくらい大きく動かせるか」です。
関節可動域はの大きさは、
筋肉の走行方向(縦方向)にどれだけ長く伸びることができるかで決まります。(縦断的な柔軟性)
一般的な身体の柔らかさは、主にこの縦断的な柔軟性のことを言います。
関節可動域を決める要因
関節可動域は、筋肉の伸びやすさ、骨格に対する筋・腱複合体の長さによって決まります。
筋肉の伸びやすさ → 筋肉の脱力の程度、筋肉の材質としての伸びやすさ
筋肉は縦方向に力を発揮するので脱力できればできるほど伸びやすくなり
力が入ってしまうと伸びにくくなります。
麻酔下では、筋肉の収縮命令が起こらない為に関節可動域は大きくなると言われています。
筋肉の材質としての伸びやすさ
筋内膜や筋外膜などの筋線維を取りこむ結合組織の硬さによって決まります。
柔軟性の向上に効果的
筋肉をゆっくりと伸ばすと筋肉の長さを感知する筋紡錘と言うセンサーの感度が低下します。
これにより伸張反射(伸ばされることで無意識に筋収縮が起こる現象)が起きにくくなります。
これにより脱力ができて筋肉が伸びやすくなります。
また、筋肉の材質としての硬さもストレッチによって軟らかくなります。
これは温度によって変化し体温が高いと軟らかくなるので身体を動かして体温を上げると関節可動域が向上します。
ただし、これらは急性の効果でありあくまで一時的なもので長く持続はしません。
効果は30分程度と言われています。
ストレッチを長期的に継続させることによる効果
ストレッチは、行った直後の柔軟性の向上に効果があるので運動前のウォーミングアップには効果が期待できます。
この変化は、一時的なものではありますが、
継続的にストレッチを続けるとその効果は長期的に起こるようになります。
つまり筋肉が伸びやすい体質へと変化して身体が柔らかくなっていきます。
さらに継続的なストレッチは、筋肉の伸びやすさだけでなく筋・腱複合体の長さにも影響を及ぼします。
動物実験では、継続的なストレッチを続けると筋肉長くなると報告があります。
筋肉の収縮装置であるサルコメアの縦方向の数が増えます。
動物実験では、1時間連続でストレッチをすると言う極端な条件で行うことが多いですが
バレリーナや体操競技、新体操の選手が行う長時間の柔軟体操では
動物実験のような変化があるのではないかと考えられています。
精神的なリラックス
一般的なゆっくり伸ばす方法のストレッチは、副交感神経を刺激してくれます。
副交感神経が刺激されることでリラックス効果を得ることができます。
ストレスを感じやすい方にもストレッチはおススメです。