脂質とは?
水に溶けない高エネルギー物質の総称です。
●脂質の種類
・トリアシルグリセロール(トリグリセリド、中性脂肪)…脂肪といえばトリアシルグリセロールを指す
・脂肪酸…脂質を構成する成分
・リン脂質…水に溶ける脂質
・コレステロール…エネルギー源にならない脂質で細胞膜やホルモンの材料になる
トリアシルグリセロール
脂肪と言えばトリアシルグリセロールのことを指します。
食品で摂取する中性脂肪も体内で存在する中性脂肪もほとんどがトリアシルグリセロールです。
・トリアシルグリセロール
グリセロール+脂肪酸3個
・ジアシルグリセロール
グリセロール+脂肪酸2個
・モノアシルグリセロール
グリセロール+脂肪酸1個
脂肪酸
脂質を構成成分でほぼ全ての脂質に含まれています。
●脂肪酸の分類
・炭素鎖の長さによる分類
炭素鎖の長さによって短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分けられます。
脂肪酸のほとんどが長鎖脂肪酸です。
・二重結合の有無による分類
飽和脂肪酸
炭素鎖が水素で満たされているので飽和脂肪酸と言います。
不飽和脂肪酸
炭素鎖が水素で満たされていないので不飽和脂肪酸と言います。
飽和脂肪酸
常温で固体の脂質で肉類や乳脂肪などの動物性食品に多く含まれています。
過剰摂取になりやすいので注意が必要です。
不飽和脂肪酸
常温で液体の脂質で植物油や魚油に多く含まれています。
●必須脂肪酸
体内で合成できない脂肪酸です。
・n-3系脂肪酸(オメガ3)
αリノレン酸、EPA、DHA
・n-6系脂肪酸(オメガ6)
リノール酸、アラキドン酸
98%がリノール酸、アラキドン酸は体内で少量合成される
●
非必須脂肪酸
体内で合成可能な脂肪酸です。
・n-9系脂肪酸
オレイン酸
リン脂質
リン酸を含み水に溶ける脂質です。
・グリセロリン脂質
リン脂質と言えば、グリセロリン脂質を指します。
レシチン(ホスファチジルコリン)
大豆や卵黄に含まれる
・スフィンゴリン脂質
脳や神経細胞に多く含まれる
コレステロール
ステロイド骨格を持つエネルギー源にならない脂質です。細胞膜やホルモンの材料となります。
副腎皮質ホルモン、性ホルモン、胆汁酸、ビタミンDなどはコレステロールから合成されます。
肝臓で1日に1,000mg合成されます。
●リポタンパク質
血液中で脂質を輸送するカプセルのことを言います。
脂質は水に溶けない為、リン脂質やタンパク質の殻に入れて血液中を移動しています。
リポタンパク質に使われるタンパク質をアポタンパク質と言います。
比重により分類されます。
・カイロミクロン(キロミクロン)
・VLDLコレステロール(超低比重リポタンパク質)
・LDLコレステロール(低比重リポタンパク質)
・HDLコレステロール(高比重リポタンパク質)