肥満とは、標準とされる体脂肪率よりかなり高い状態のことを言います。
日本肥満学会によると肥満の基準は下記の通りになります。
体脂肪率の目安 |
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男性30歳未満 14~20% |
女性30歳未満 17~24% |
男性30歳以上 17~23% |
女性30歳以上 20~27% |
参考/日本肥満学会より
体脂肪のつき方
体脂肪のつき方は個人個人によっても変わったりもしてそれぞれ種類があります。
皮下脂肪型(洋ナシ型肥満)
女性に多く見られるのが皮下脂肪型です。
主に下半身(太ももやヒップ)に脂肪がつきやすい状態です。
皮下脂肪は手でつまむことができます。
内臓脂肪型(リンゴ型肥満)
中年の男性に多いのが内臓脂肪型肥満です。
内臓脂肪が増加してくるとウエスト周りが太ってきます。
中年の男性に多いぽっこりお腹は内蔵に脂肪が溜まっている状態です。
内臓脂肪が多いと手でつまむことができません。
皮下脂肪型より内臓脂肪型の方が危険
怖いのは皮下脂肪型肥満より内臓脂肪型肥満になります。
内臓脂肪は代謝異常発生の引き金になります。
糖尿病、脂質異常症、高血圧などの様々な生活習慣病の発症を招きやすいです。
内臓脂肪は皮下脂肪よりも落ちやすく運動で燃焼しやすい傾向にあります。
内臓脂肪が多い方は少しでも運動量を増やすように心がけてみましょう。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームは、内蔵脂肪型肥満(ウエストが男性85cm以上、女性90cm以上)に加え
高血糖、高血圧、脂質異常のうちの2つ以上併せ持った状態のことをいいます。
メタボリックシンドロームはどうして危険なの?
日本人の三大死因は、がん、心臓病、脳卒中なのですが、そのうち心臓病と脳卒中は、動脈硬化が原因です。
メタボリックシンドロームになると、動脈硬化を進行させ、心臓病や脳卒中といった
命にかかわる病気を急速に招いてしまいます。
メタボリックシンドロームによって引き起こされる病気の発症の危険性は、
危険因子の数と大きくかかわっており、危険因子の数が多くなるほど危険度は高まります。
メタボリックシンドロームの基準
腹部肥満 |
ウエストサイズ 男性85cm以上 女性90cm以上 |
中性脂肪値 HDLコレステロール値 |
中性脂肪値 150mg/dl以上 HDLコレステロール値 40mg/dl未満 (いずれか、または両方) |
血圧 |
収縮期血圧(最高血圧) 130mmHg以上 拡張期血圧(最低血圧)
85mmHg以上 (いずれか、または両方) |
血糖値 |
空腹時血糖値 110mg/dl以上 |
メタボリックシンドロームの危険因子(肥満、高血圧、脂質異常症、高血糖)に共通しているのは
食べ過ぎや飲み過ぎによるカロリー過多と運動不足が主な原因です。
肥満だと高血圧や糖尿病、脂質異常症などが起こりやすい
肥満の方は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの病気を起こしやすくなります。
しかもその中には、このうちの複数の病気を併発している人が少なくありません。
肥満、高血圧、脂質異常症、高血糖の4つには、互いに重なり合って発症しやすい密接な関係があります。
特にに肥満(内臓脂肪型肥満)が進むと、ほかの3つの病気も悪化して併発しやすくなってしまいます。
併発してしまうと、相乗的に動脈硬化を進め心筋梗塞などを起こす危険性が非常に高くなります。
肥満に加え、どれか1つが重なると
冠動脈疾患(心筋梗塞など)のリスクが10倍に、
2つ以上が重なると30倍にもなると言われています。